痕跡――戦後美術における身体と思考@東京国立近代美術館

京都国立近代美術館からの巡回ということだけれど、京都へ行くよりもこっちへ回ってきたときに行く方が安くつだろう・・・ということながら、結構楽しみに待っていたりして。なんだかおもしろそうで。

今日、画期的な表現として高く評価されるこれらのイメージは、肖像画や風景画のように「何かに似ている」のではなく、「何ごとかの結果として」意味を与えられているといえるでしょう。この展覧会ではこのようなイメージに「痕跡」という名を与え、戦後美術を新しい角度から見直してみたいと考えます。


とのことで。戦後の美術を痕跡というキーワードで集め、更に8つの表面、行為、身体、物質、破壊、転写、時間、思考というテーマに振り分け展示する。という仕組み。


1の表面では、ルーチョ・フォンタナの赤と、黄緑それぞれ一色の画面が切り裂かれている作品を見たが、確か国立国際では青色の作品を見たような。なんだかそんな3点をすっと見ると更に効果が増されるような気がして、少々の気持ち良さを覚えた。
そしてポロックの作品を初めて生で見た。と思う。
イヴ・クラインの火の絵画という作品がまじまじおもしろく見えた。


2の行為では、初めてウィーンアクショニズムというものを知る。
ジョルジュ・マチウにしても篠原有司男にしてもイヴ・クラインにしても白髪一雄にしてもどれも私にはおもしろく見える。白髪一雄の作品はど迫力さを感じた・・・。うねりを辿ってはジャマされ辿ってはジャマされみたいな・・・。なんとなく身震い。


3の身体。ロバート・ラウシェンバーグ & スーザン・ウェイルの作品がとても不思議に見えた。色の青さが美しくて。でもちょこちょこ破れてたりしてて。すごいな、風呂場か。
榎忠の「ハンガリー国へ半刈で行く」というのに解説読んでて思わず少し笑いそうになった。すごいなあ。目がかわいい人だと思った。お茶目な。
アナ・メンディエッタの作品は刺激が強いので〜というような注意書きがある一角において強烈に刺激されるというか。平日で人は多くないものの、なぜかなんだか男性が多いこの中で、一時女一人に男の人が3.4人いて、良い気持ちはしなかった。なんか不鮮明なえぐさを感じた。うぅん。自分が通っていた学校で女性徒がレイプにあい、それに衝撃を受けての作品というのは、自分がレイプ被害者に扮した写真。


4の物質で、九州派の人たちってのは、コンクリートなどを主として使うとかなんとか。へえええええ〜〜〜と脳内ボタン。いやなんかおもしろいなぁと思って。ゴツゴツ。それがとても印象的だった。
あれ?山崎つる子の作品はここだったっけ?忘れたけど好きだったな〜。


5の破壊もおもしろかった。
高松次郎のガコンクリート、木、レンガ、ガラスの単体をまじまじと見つめた。
村上三郎の入り口とか。どっか外国で実際破る時の映像が流れてたんだけど、それがおもしろくって。外人がわらわらきゃっきゃしてる中で注目されているのはいかにもらしい日本人で、その人が紙にくい付く。なんともその図が良いなぁと思った。
真ん中にあったガラスの作品はどうやって収納されているのかと思った。


6に転写。中西夏之って・・・やっぱ名前がいいよねぇ・・・。名前が好きだ・・・。んでその人の男子総カタログ’63を思わずまじまじ見ている自分がいて、はっと気付いて通り過ぎた。男子の裸の後姿の大きなカタログ。


7が時間。
時間というものもおもしろいな。
アース・ワークの作品の写真のデザインがいいな〜。
ドライアイスの時間もなんかビンゴ!って感じで。


8の思考はなんかこれまた随分おもしろいもんだなぁと思った。
野村仁のHearingの一連の作品の在り方というか、提示の仕方?が、分かりやすく受け入れやすく感じた。一番単純にうわあおもしろいなぁと思った作品かもしれない。音の在り方として好きだなぁと思った。
ローマン・オパルカもまたおもしろいな..嫌いな世界だけど嫌いじゃない。


具体メンバーの作品が沢山見られ、更にもの派九州派アースワーク等様々な活動のものも見れてとっても満足〜。おもしろかった。一作品ごとの説明もとっても助かったし。ただ、ちょっとそっちにばかり気を取られ作品を見ることに対して少し欠けてしまった面も多少あったかな。それでも自分の脳味噌フル回転させ読む事見る事に対して頑張ったと思いたい・・・。
イヴ・クラインのボディ・プリントの人体測定を生で見たのは中々の衝撃というか。またやっぱ、や、生で見るのは違うな〜と思った。なんだか改めて身体との関わり方を教えてもらった感じ。うん、ほんとうに・・・。青だしね。うん。
他にも結構鳥肌立ってしまう作品にも出会った。主に白髪一雄かなやっぱり・・・。なんか作品を見てたつ鳥肌の仕組みってイマイチまだわからないけれど、なんかこう立ってしまう時っていうのがあるんだよな〜。それぞれのテーマ振り分けというものも、確実に言えるものではないのだろうけれど、そこの枠の中でみるのとしては私は随分助けられたというか。
とにかく沢山の作品が見れておもしろかった〜。しかし男性率が高くて驚いた。な〜んかつくづく自分って頭固いよな〜とか思ったり。