きょうはなんだか疲れ果ててしまった。自分の気持ちが。枯れて枯れて、息苦しくて。家にいるのがきつくなったから、歩きに行った。シロップのクーデターを聴きながら。歩き出せば、足が勝手にずっと動いている。上半身はそれにつられて動いている。このままずっとずっと歩いていって自分がなくなってしまえばいいのにと思った。自分の肉体の置き場所がわからないのです。気持ちは、どうだろう。ずっと歩いていれば、考えたままでいい。色んなことをもやもやとっかえひっかえしながら、ふらふらふらふら。気持ち悪いままでいいような気がする。でも、足を止めたら、答えを出さなきゃいけないような気がしてしまうんだ。吐き出さなきゃいけない。でも吐き出せないから、苦しい。どうして人間の気持ちは苦しくなんてなるんだろうって、いつも思う。気持ちだけで苦しくなるなんて、なんて構造してるんだと腹立たしくなる。こんなの、いらないよって、いつも思う。でもきっと、苦しさがなきゃ生きていけないのだろう。だから、要らないって思うんだもん。そんな簡単に分かってなんてあげられないよ。60分ほど早足で重いまぶたをへらへらにして目下まで伸びた黒い前髪に隠れて歩き続けた。脳内にはシロップの音が流れこむだけ。そうそれだけ。自分の思考なんて、何にもなりゃあしないのだ。
しかし歩いても歩いてもやせなくて悲しい。簡単な悲しさ。