誰も知らない。んー、思っていたよりも重くなかったというか。この表現もあまりしっくりこないんだけど。もっとどろっとしているのかと思っていたけど、割とカラっとしていたから、そこに少し驚いたし、そこが魅力的だったようにも思う。この話を通して社会を見るだとかどうだとかっていうことはまだ自分の中では上手く整理出来ない。なのでひとまずそこは置いておいて、見たままの感想を書くとすると。色の出方であったり日常を切りとるという形での画面構成の具合などがまず好みだった。色っていうのは結局一年を通して撮影されたということからの、四季がそれぞれ明確に出されていたところなのかもしれない。特に最後の夏は、話の流れが絡んでだけど、とても印象的だった。秋も冬も春もどれも良かったなぁ。そしてカメラの仕事はほんといかにも私が好きな具合。自分で携帯や35mmのカメラで撮るとした時、この映画のような具合を私は好んでするから。それらを何て言葉で表すべきなのかはさっぱり分からないんだけど、思わずそこに吸い込まれるような感じがするの。
そして主演の柳楽優弥の存在感はとてもおもしろかった。4人の子供たちからは演技というものはあまり感じられない。しているところはしているのだろうけど、そう感じにくいものになっているし、特に柳楽優弥のその素の感じから演技をしようとしている不自然な感じは逆にリアルっぽくて、また一年を通しての役自体の変化と本人の成長とが見事にあわさっていて見ごたえがあったというか。目の強さ、風貌の醸し出す空気感は稀に見るものだろうなぁと思った。だからこそ、これから役者としてやっていくならどうなるんだろうなぁと思うところだけど。4人の子供たちは皆本当に良かった。様々な場面の子供たちが見終わった後でも沢山思い出される。移り変わる時間、季節の中でとても明確に子供たちは映っている。だからか、集中してこの話を見ることが出来るような気がした。
しかし通して違和感を感じるものでもあった。最初に違和感を感じたのはわりと始まってすぐ、ゴンチチの音楽が流れてきた時。最後まで、ゴンチチの音楽が流れてくるたびなんともいない違和感を感じた。ゴンチチのゆるやかに流れる音楽に思わずどっきりするのだ。良いのでも悪いのでもなく、見てて思わずどぎまぎした。
なんていうかなあ。やっぱり見た率直な感想、誰が悪いとか責任とか社会とかどうとかそうゆうことは私の中にはあまり芽生えなかった。そして、切ないとかっていう感情も起こらなかった。それはつまり最初で言ってる様に最終的にカラっとしたように感じている自分がいるということが表している。
ただただ、この映画の世界の在り様を見た。そう見れたのは、ほとんど全てが日常としておかしくも感じなかったからだろうか。母親が子供たちを置いて男のもとへ行ってしまう。そして学校へも行かず電気もガスも止められていく子供たちだけの生活。これは驚く話。だけど、この映画で描かれている人も街も、当たり前のようにっていうか、ふつうのことのように時間は流れてる。両親がいなくても学校へ行っていなくても子供たちは生きていってる。電気ガス水道が止められてお金もなくなっても生きていく。それが続いているのだ。そしてそこには介入する人はいない。紗希は子供たちだけの生活を乱すわけではないし。この映画で描かれてるのがそこまでの世界ってことだけど。それを見ると、私はただ、見た、にしかならなっていうか。そこで何も思わないっていうんではなくて、色々思ったりしてるけど、そこで思うのは責任とか社会っていう直接的なものではない。それはもしかしたら良くないってことになるのかも分からないけど。映画を見たからってべつにこの映画の基になった実話の内容を知りたいとは思わなかったし、私の考えが浅いのかもしれない。実話を基にしたフィクションであって設定とか異なる点は様々あるけど、その実話があったことはわかってる。私は今のところ、それを受け止め自分の中で思い描くことしか出来ない。それに不満があるわけでもないし、それでいいと思ってる。
最後の夏という季節がとても生々しくて、そこに一番リアルさを感じた。見れて良かった。話に色々矛盾あったらごめんなさい。いまいち整理ついてないといえばついていないので勘弁を。

誰も知らない [DVD]

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ほいで誰も知らないを見終わって予定ではもう一本何か見ようとしてたんだけど、なんか誰も知らないを見てる途中から頭がガンガンに痛くなってきてて、なんか気持ち悪くなってきたので帰ることにした。13時頃、太陽ガンガン。バス降りたら足の関節もきしむように痛くなるし気持ち悪くて吐くかと思った。うええ。それでもピーナッツとクリームを買って帰宅。床に寝転ぶ。最近、こうゆうのが凄く好き。自然光に満ちた床に寝転ぶと空がぐいっと近づいてくる。空があるなあって思う。多分自分の部屋が一番空を感じれる場所。気持ちよいっていうか安心するっていうか落ち着くっていうか。時々飛行機が横切っていく。おもしろい。大の字になると少し体が和らぐ気がする。ふう。それで湯船にたっぷり浸かったら大分体の歪みも治ったかな。なんかどうも木曜あたりからついつい体がぐったり来てしまうなあ。そこでちゃんとめんどくさがらずに湯船つかって気持ちを安定させればいいんだろうけど…。そこをずるずるしてしまうと、洗濯物もたためてないまま次の洗濯に入ってしまうだとか、荷物も少し散らばったままになったりという。私はやっぱりそうゆう生活空間が乱れてると自分自身もあんまり落ち着いていないことに繋がっている。うーーーん。がんばろ。
明日はみんぱくへ行くのだ〜