全部うそで、いつもうそで、なにもかもうそで自分のなにもかもがうそでみちみちていて、すべてうすぺらい口だけでほんとうはほんとうは何もありゃしないのだと、いつもは隠し通しているそれらが体のまんなかあたりから侵食するように広がっていって私が重くなっていく。私はうそだ。そんなうその実体の自分がきもちわるくて、意味がわからなくて、なにがなんなのかわからなくなる。頭がにごる。血がにごる。酸素がにごる。

うすっぺらな自分をおそれてる。一日の時間がこわくなる。今日はなにができた?なにを得ることができた?今日の意味のあること、存在を証明できるてごたえのあるものはなに?毎日の焦り、不安、欲望。

私はいつだってはやく死にたいと思う。もちろんこれは100%真実にならない。しかし思いのうえでずっと持ち続けていることであるし、たぶん私はこう思っていることが生きていることだ。そう思っていないとだめなんだ。私はいつだって死を受け入れる人間でないと。いつだって死ねないと。

だから同時に生きている意味の証明書みたいなものがほしくなる。私は自分を証明されたい。否定と肯定。肯定と否定。私は逃げたいだけだ。ずるい。ずるいずるい。

私はどこへゆく?行き着いたらそこはおわりだろうか。私はなにももっていない。ぜんぶうそなのに。うそはひとりだ。そんなうそを易々と受け取らないで。私がほしいものはそんなものじゃないのに。わがまま。だめ。