液体か、涙は または水とゆめ

あなたも誰かの日記に記されているのかもしれない

遅ればせながら12月30日は新宿ピットインへ大友さんの4日8連続公演最終日のラストにあたるInvisble Bordersを見に行ったときの話。ピットインへ行くのもやや久しぶりのような。先にチケットを引き換えてあくのを待っていたら、なんか、すごく男性率が高くて、あとから思えば前々からこうゆうことはあったけれど、久しぶりなせいかびっくりした自分がいて、なんかあれだ16くらいのときに郵便局で年賀状の配達バイトをしていたときの割合に似ているなと思った。なんだろう、男の人の方がこうゆう類の音楽が好きということなのかな、そうゆうものなのかなとか適当に思った。

メンバーは大友さん(G)、 鈴木広志(Sax)、 今込治(Tb)、 木村仁哉(Tuba)、 大口俊輔(Acc)、 芳垣さん(Ds)で、芳垣さんがでるからなのと、アコーディオンの人がいるんだーと思って見に行くことにしたのだった。小学生のころに学校でアコーディオンさわって、好きだったんだなあ私。ピアノやってたから鍵盤はまあできるっていうのもあったし、空気入れたり出したりみたいなジャバラ操作が楽しかったんだなあという印象が今でもよく残っている。なので芳垣さんの音とアコーディオンがどんなふうにあわさるのかなみたいなとこが楽しみの一つとしてあった。その大友さん芳垣さん以外の方々というのはチャンチキトルネエドという大勢っぽいユニットなどで活動しているらしく、大友さんいわくみんな芸大卒だとか。みんな30代前半くらいかな、若いかんじ。みんなうまいな、たのしそうだな。

昼公演のあとに少しリハをやった程度らしく、前半はどの曲をやるかは大友さんがその場で悩みながら決定。楽譜をひらひらさせて、じゃ次はこれでーみたいな。楽譜って、どの曲もA4一枚。あれってメロディとかが書いてあるだけなんだろか。みんなでそれを共有しているみたいだけど、なぜそれでみんな演奏できて演奏があうのか。それがプロなのか。芳垣さんなんて自分の楽譜が見つからない大友さんにおれ大丈夫だから的に自分の楽譜貸してあげてた。かっこいいな芳垣さん!と単純な私。芳垣さんがよく見える位置はどこかな…と迷いつつ適当にとった席が偶然にも芳垣さん目の前、障害なしなとこだったので(前から3列目くらい)この日はラッキーだったなあ。久々に芳垣さんのドラム姿を堪能してしまった。ああ近い近い。くらくら。やっぱりこう近いとこで堪能できるというのも楽しいなあと思う。しかし最前列には男性ばかしがならんでいて(大抵いつもだけど)あんだけじーっと見られながらやれる演奏者の人たちはすごいもんだなとも思う。

セットリストは大友さんが軽く説明をすることをなんとか覚えてスマホにメモしたのを参考にふりかえってみると。一曲目は大友さんが言ってたけど聞き取れず、しかしたぶんブレヒト/アイスラーの曲っていったような気もする。それっぽく聞こえたし、芳垣さんもブレヒトやってるし、そのあとにもブレヒト/アイスラーやってるから、可能性としてたぶん。なんかこうばらばらに音が出てきて徐々に徐々に音がまとまりかたまっていくみたいな感じで、vincent atmicusにもこんな感じあったなあとか思う。そして私そうゆうの好き。初めて聞くユニットの音ということでどんな音楽なのかなとうたぐりかかるような、用心して聞くような態度がそもそも私にあったとはいえ、一番最初に出してくる曲としてはすごく良かった印象。最初は不確定な要素、誰がどんなかもよくわからない木の陰からこっそりと見ている状態から一歩ずつ姿かたちを見せ表してくる曲って、楽しくてすきだな。

次はグラウンド・ゼロ時代にやっていたとかいうlegsという曲。レックスって聞こえてたけど調べたらlegsなんだなこれ。これはちょーかっこよかった。大友さんもやり終えてかっこいいなと言っていた。一曲目で見えた全体の音のまとまりがもう、すぐ、一気に変身したような鋭さ。うわーとくぎ付け。

3曲目が自殺についてという曲で調べたらこれがブレヒト/アイスラーの曲。ハンス・アイスラーが作曲家でベルトルト・ブレヒトが作詞家なんだな。なんか暗い曲だったような。

4曲目がnhkのドラマとんびの曲。この曲をトロンボーンの今込さん以外で録ったといっていたかな。ドラマは見てないけど、大友さんが演歌を意識して作ったみたいなこと言っててそれで芳垣さんにこれは演歌じゃないだろといわれていたけれどまあ大友さんの言いたいことはなんかわかるかも。演歌じゃないけど、こぶしっぽい感じはあるというか。大きな夕日夕焼けとか大海原とか見えそうな感じ。とってもドラマっぽい叙情性みたいなのがあるいい曲と思う。また聞きたいなー。

前半ラストが山下毅雄さんという方の曲。なんか大友さんが色々喋ってた気がするんだけど、たぶんアニメどうこう、ルパンのTVシリーズ第1作目の音楽を作っていたとか、wiki見ても多様なとこへの音楽を作っていた方みたい。もはや曲については覚えておらず。

後半はしっかりセットリストを決めてきたのかステージ上でのやりとりはぐっとなくなりびしびしと曲をきめていく。1.2曲目はエリック・ドルフィーの曲で、特に2曲目のイタリア人フルート奏者のなんとかって人にささげた(調べたところおそらくセヴェリーノ・ガッゼローニという人)とかいう曲がよかったなあ。大友さんいわく原曲とは全然違ったアレンジでとか言ってたけど毎度ながら原曲を知らない私。原曲聞いたところできっとああこれこれとか思えなさそうだな。機会があれば聞いてみたいところ。

そんで次がメモによるとみんなで登山みたいな曲とのこと。あくまで私の主観だけれど。たしかなんか2曲目まではきっとフリージャズっぽい構築感があったところに、みんなで一緒に同じ一本の道を進んでいくような融合感がある曲だったってことじゃないだろうか。曲名言ってたけど忘れた。サックスソロがかっこよかったとも書いてある。サックスの鈴木さんはソプラノ、テナー、バリトン(アルト?)を使いこなしていたような。そんでこの曲でだったか一人で長いソロがあって、どんだけ肺がつよいんだとおそれるくらいな見事なものだった。あれだなあ普段見聞きしてないから余計だけど、管楽器の息を吹き込む姿や音って、ふしぎなかんじ。あたりまえだけど、ギターとかベースとかドラムとかとは全然違うよなあ、音を出すという行為が。

4曲目がジム・オルークの曲と言っていたのでユリイカかな?前にも大友さんのなにかでユリイカ聞いてる気がするけど、それはいつで何のことなんだかさっぱり思いだせず。

アンコールはsong for Cheというチェ・ゲバラにささげられたという曲。ONJQでやっていたみたいだな。あれ、この曲でだったかな最後の方で芳垣さんソロになりとても美しくかっこよくうひゃーさいこーだねーーという感じであった。なんであんなにすべてを、全空間を一身に引き受けたみたいにして音を奏でられるのかしらと。曲がそこにあるみたいにして即興で音を、空間をつくりあげられるというのが素敵だな。すごいな。聴いて、聴けて楽しいな。私、めちゃくちゃ笑顔で見ている。

久しぶりにピットイン行ったけど、ステージ高さもあまりないここで座ってみるというのは非常に音が近くて演奏者も近くて、空間がより一層ステージから出てくる音の波に包み込まれてしまう感じで、今回はどしゃーどばっしゃーとあびにあびた感じだった。顔面直撃で受けるもんなあ。でもそれで全身が音で洗われちゃうような、音が前からやってきて体に触れてうしろへ通り抜けていくような感覚がとっても鮮烈に新鮮に残った。水の塊がときに痛いように(プールでとびこみすると痛いというように)同じような刺激さもよりやってくるようだったし。肌につきささるものがやはりピットインだなあと思った。

お客さんの入りというとこではほかの日に比べて少なかったかもしれない。他の日がわりあい実験的要素が強かったと思うのでそれらに比べたら大友さんも言うようにピットインらしいわりかし愚直でストレートな音楽、メンバー構成だと思うから。しかしとっても力強いたくさんの拍手が最後までなりわたっていたのもまた事実。うんうんかっこよかったなー。おもしろかったなー。興奮状態で外に出て、走って新宿駅