液体か、涙は または水とゆめ

あなたも誰かの日記に記されているのかもしれない

はてさてこないだの土曜日、2月2日は渋谷のクアトロへ。MO'SOME TONEBENDERのTOKYO FOOL FEBRUARY。おそろしいことに、クアトロはものものののすごく久しぶりだ。正確にはわからないけれど、もしかすると大学入る前の2月のモーサムのワンマンだかno evilだったではないかという気がする。そうすると、9年ぶりとかいうことになるんだけど、ほんとうだろうか。本当だったらかなりすごい。ウソみたい。でもそれの記憶だけはしっかりある。心斎橋のクアトロならそのあと行ってるけど。そのあとにモーサム見てるのって磔磔のような気がするし、いやはやなんにせよそれくらい久しぶりで違いないと思う。信じられない。真実だとしても今でも信じられないもんね。なんでって、昔はふつうによく来ていたから。リキッドはその後もそれなりに行く場所になってるけど、クアトロは縁がなかったなあ。モーサムがクアトロでやってるのは知ってたがまったくシャットアウトしていたからなあ。ふむー、新宿リキッドと同じくらいよく来ていたハコだったと思うんだが。まあそんなそわそわ感でクアトロに向かったのだった。
センター街歩いてって見えてくる風景が変わらないのでほっとした。お店とか看板とかはいろいろ変わっていると思うんだけど、なに、あの街の汚さ具合、光となまやけみたいな湿ったかんじのまっすぐの道。ああかわらんかわらん知ってるところだあ〜という気分。あれだなあ、モーサムも久しぶりに見ているのにやっぱり昔からよく知ってる人たちみたいな、懐かしささえわざわざなくずっと知ってる知り合いみたいな感じで3人を見ている感じとまあ同じようなものかな。時を隔てていてもすぐにたった一歩でほいっと隔てを消せてしまう人間の脳感覚がすごいと思う。

さて今回はとてもよくステージを見渡せて、その点でもすごく楽しかった。相変わらず三人が登場して三人してどーんと前にたってるのがおもしろかった。すでに笑う。だってふざけてるみたいで、フロントに三人立ってるなんて、しかし音を出せばもう一気にモーサムの音の世界に入ってしまってそっからは綿密にしたてあげられたショーを存分にたのしむようなそんな感じ。しかし三人とも照明によってうかびあがらせるシルエットがかっこよくてよかった。あれはなんだか効果的だな。

1曲目は新曲だった。ずおーんという音が出る。ぴりっと、その一音で世界がはじまるというしらせ。なかなかよい曲で、それはなぜならすぐに風景が立ち上がってくるような曲だったからで、なんだか大きな雲の上と下、表と裏、その両方を兼ね備えているみたいな曲だった。雲の下というのは暗く雨がふっているような雷でもなりそうな色や音であり、上というのは太陽の光をうけてまぶしく白さが際立っているような色や空気感であり。曇天みたいな重さと最上の光みたいなその両方の層がともにあるということが印象的だった。

メタルカがテンポめっちゃ速くしてはじまって、うわこれでだいじょぶなんかしらと心配してたらやっぱももが歌ずれしていたのでああやっぱりと思いつつ、まあほんとよくあのテンポでやれるなあ、あわせられるなあと感心してしまう。そしてどれかの曲で、うーんなんだったか、タケさんのベースではじまる曲で、これもああテンポ早くてタケさん大変じゃないのかしらとはらはらした。ベースって大変じゃないのかしら。

7曲目Cat Parkはいるまえにタケさんがちょと喋る。タケさんの博多弁を聞くと、うわあああああってあたたかでぬくぬくしたところに包み込まれるかんじがする。ぶわあああああってフロアにタケさんのあったかさが広まってくみたいな、花畑が広がってぽかぽかするみたいなそんなかんじ。それはやっぱ音になってもどうしようもなくやさしい音として聞こえるタケさんのベースの音とおんなじだなあと思う。生で聞いていると、ほんっとかわいらしい音をならすなあと思う。音が、ひとつひとつぽろぽろとあたたかいんだよなあ、ふしぎに。あんなザグザグした音だすバンドなのに。タケさんのそんな存在力があるからこそ、モーサムはどんな方向にぶっとんでいっても大丈夫みたいなことなのかなと思う。それによってお客さんもついていける気がする。お客さんとの相互愛みたいなかんじで成り立っているように見える、モーサムのライブは。どのバンドだってそうだろうけど、それを存分に発露させることが許されていてそれをみんなで共有することができる、平和的にというのが大きな特徴な感じかな。そしてニャーニャー声ではじまるCat Parkはすんごくよかった。私的にとてももりあがる。もものテキトーそうに出すじゃーんとしたギターがいい。沢山の音で隠れていた音が実は見えてくるみたいな。いい具合にこの曲いれてきたなと思う。そくそくする。

それからhappy new year。私この曲だいすきなんだな。あっさり気味な感じもしてさらっと終わってしまうようなんだけれど、私的にこの曲はその曲の雰囲気あわせてせつないかんじがすごくする。切なくて悲しくてうれしいようなそんな歌。そうこれはももの歌だなって思う。ももが歌うこの歌がすごくすきだなあ。いろんな光の色がする。なんだろ、モーサムの曲でこんなふうにすきだと思うことはあまりない気がする。ぜひこれからも続けて歌ってほしい歌だが。そうそう、水野さんのドラムがじつはこれすごくいいんだな。どうにもやはりモーサムは3人ばかりに目が行ってしまってなかなか水野さんを見ていないわけだけど、うわこの曲のドラム大変そうだな、しかしかっこいいなと思った。

そしてなんとボクはサカシマをやった。どれくらいの昔の曲をやるのかなと思っていたら、うわーうわーうわーと言葉にならない思いみたいのがもはや口から息みたいにして出た、出たね、うん。なんでこの曲なんだろう。いやー、久しぶりに聞いた。いやまあライブ自体を最近久しぶりに来ているわけだけど、そうゆうことじゃなくて、昔鳴っていた音を今に聞くということが時空間ねじれるようで妙な気分になった。ちょっと軽やかさが薄くてまあしょうがないんだけどなんかふしぎな落とし穴みたいであった。

それからそれからなんとハレルヤをやった。うわまじーうわーすごいーとか思う。あれこれDEDSだよねえ?と思うと、あのDEADSのCDって今はもう売ってないのかな?じゃあもってない人も結構いる?でも私もってるよーばんざいーと単純な優越感などもちつつ、単純なうれしさとではしゃぐ。ぐしゃぐしゃになったよろこび。まるでタケイwithモーサムトーンベンダーみたいな、タケさんが3人に演奏させてやってる感みたいな、そんな雰囲気をしゅっとすぐに作れ出すのがすごいな。子どもの頃あそびに行ってたどこかしらのおうちみたいな間取りとかにおいとか覚えてるわあみたいなそんなかんじだった。

それからまた新曲やって。13 HOT DOGSでタケさんが客席にやってきた。私の目の前を通り過ぎていくタケさんはけわしい顔をしていたけれど、道をあけるファンの人々はみんな目がハートみたいなかんじで、とにかくみんな目がハートで頬をそめるようにしてタケさんを見ているのだった。なんでしょうあの神々しさみたいな、仏様みたいな存在感は。でっかいな、タケさん。そしてステージに戻るのを見ていたら、あれえイサムさんいないなあどこにいるんだろう?と思っていたら、うわあああっイサムさんまでこっちにいたああっ。イサムさんまでなにやってるんだっ!とかなり驚いた。びっくりした、非常に。あああ、おもしろすぎるな…。イサムさんまさかあなたまでという気もち。でもみんなイサムさんには慣れていないのかちょっとどう接しちゃっていいのかわかんないみたいな、えぇっ?!という驚きとともに動揺している感じがあっておもしろかった。私も動揺。隣にいた女性二人もびっくり、でもキャーってかんじでああわかりますそのきもち…と思ったり。いやしかしイサムさんがもどるの見てたらももがなんかものすごくねたましいような目でステージでギター弾いているように見えてしょうがなかったな。

次のロッキンルーラでもももががんばっていた。そしてその後の24 hour fighting peopleのみごとなサイリウムっぷり。後ろからだと本当にきれい。みんな一斉に取り出し、ともに振り、踊る。楽しくてしょうがない。そしてELECTBOYSとつづく。これは最強な曲だなあと思う。そして完全にギターを置いてマイクにぎりしめて歌うももはどわんぐわんにテンションをあげまくってゆき、消えたかと思ったらぷいっと歌の直前で出てきたり、そしてそしてなんとダイブしたのだからもうみんな驚いたと思う。ひゃーーっみたいな声なき声がどどどどと沸き起こったのではないか。みごとにキャッチされたももはころころころ〜っと波にのるみたいに優雅に視線をひとり占めにして前方ファンのみなさんの見事なお点前にてきちんと歌には戻っていった。うわあすごいもんを見た。この日一番の笑いポイントだった。うわあももがんばった、がんばってる、ももやったなよかったな!という気もちでいっぱい。

そして最後のshiningまでつづく。どの曲でだったか忘れてしまったんだけど、ももとイサムさんのギターの重なり合いがすごくきれいだなーっと思うところがあった。みんなよく見えたおかげでどっちがどのフレーズを弾いているかというとこまでよく観察できて、それとか二人それぞれのギタープレイとか、この仲睦まじくはなさそうな二人のそれぞれを見ているととっても面白い局面がたくさんあった。とにかくなあ、うれしいんだよなあ。昨日も書いたけれど、あまりに激しい勢いがあるので、今にもこの人たちはいなくなってしまうんじゃないかみたいな激しすぎる生が同時に死をも喚起するのだけれど、でもモーサムはまだまだ生きている。いくらでも生きている。まだまだ生きるんだ、まだまだ見ていないことやっていないことがあるんだみたいなことが同時にもりあがってくる。どうしてこんな風に音楽をやれるのかがふと不思議になり、そしてそれを私も知ってみたいと思う。そんな風に自分の体ぜんぶをほおりなげられるようになるのは簡単には知れないだろうと思うんだけれど、ああもうものすごく単純に私もがんばろうって思うんだな。私もまだまだモーサムと一緒にはしりまわりたい、あそびまわりたいみたいな気持ち。四人は乾いた空気の乾いた土地でもへっちゃらで走り回っているように見える。すごいな。

アンコールではビートルズヘルタースケルターをやった。これがむちゃくちゃかっこよかった。イサムさんのギターが!やばい!ほれる!ほれる!という気もちで胸がいっぱいになった。苦しいほどにかっこよかった。うわあああ、よだれものだったなあ。そしてももの歌もぐっときた。なんでしょう、英語だからふだんとはまた違った感じに聞こえたのかなあ。ぐぐっと奥ぐもったような深いとこからでるような歌がよかった。それからタケさんが金髪のカツラをぬおおおっとかぶって、もう私全然元ネタとかわかんないんだけど、でもわかるよなんか言いたいことやりたいことはなんかわかるよという気もちでいた。

そしてBIG-Sでおわりだったんだけど、このカバーからの流れがよすぎたせいかなんなのか、再度のアンコールの拍手がもうずっとやまなかった。私もやまなかった。すばらしすぎると拍手がとまらない。もう、ぜんぜんみんな帰らないの。ふつう、まだし続ける人がいてもさっさとひいていく人もいるもんなのに、みんな動かないので驚いた。でもそれだけおんなじ気持ちが全体にあったんだなあ。18時開演で時間もあったからなんだろうけど。でも久々にあんなにアンコールがやまないのを見た。結局おわりだったんだけど、5分以上もただただ高揚した率直な思いで、ただアンコールやってほしいっていうんだけじゃなくて、このままさらっとおわり、帰るなんてことどうしたってできないんだみたいなあついあつい熱気が漂っていて、それが今のモーサムを表しているんだなあと思った。

書き終えてまたライブ見終わったあとみたいな脱力感。あー、すごい楽しかった。