会社のmacからここを見るとなかなかくずれているっていうか、変な隙間があきまくっているのはなぜか。

昨日はthe telephones presents “Last Party〜We are DISCO!!!〜@さいたまスーパーアリーナへ行った。最後の発表でsyrup16gがでると知り、それのつい数日前にスーパーアリーナでライブを見る日がくるとしたらまあなんとかシロップあたりだろうとスーパーアリーナ横目に思っていたところだった。思えば現実になるもんだ。なんて。
出演バンドはこないだ見た9mmとシロップ以外の5組ははじめて見る。ていうか音源もよくしらない。なのでyoutubeで予習していった。予習って、考えてみたら昔にはそもそもできなかったことだよなあと思ってしまう。でもライブははじめからおわりまでほぼ全部見て、ああそうか私が日本のこのへんの音楽シーンからはなれていたあいだにずいぶん変わったんだろうなあってことを、まあ少しはわかっていたけど改めてそうなんだろうと思えた。

シロップ以外でいえば、凛として時雨が一番よいなあと思った。youtubeで聞いてる時、ベースのかんじがすこしモーサムタケイさんの感じと似てるのかもと思った。あれでもそうなると?と思いつつ。ステージ両サイドにはモニターがついていたけど時雨のときだけたぶん使用されていなかった。トップバッターで間に合わなかったというようなことなのかどうか。最初からとても勢いがあって、ガラっと空気を変える力量のあるバンドなんだなあという印象。スリーピースとしてはそうゆうのは理想的だと思う。3つの音が見事にがっちりと組み合わさっている。ブレなさと硬派さとがあるようなところも高印象をもつ。スリーピースのよさが出ているというか現されているなあと思う。演奏がこんだけ強靭さ強固さがあるのは高潔な感じさえする。今のモーサムにもシロップにもないようなところだと思った。というかもうこれではシロップ大丈夫かなっていう心配にさえなりはじめた。まあ違う音楽だとは思いつつ、スリーピースとしての迫力がすごいから。特に最後から2曲目がよかった。はじまりからして好きな感じだなと思っていたらそのあとの展開、エネルギーの注ぎ注がれ爆破していくような様が華奢そうなバンドの雰囲気をあっさり飛び越えていてえらいかっこよかった。最後の曲も良かった。やっぱ私はスリーピースが好きだなと思った。

時雨はアリーナで見ていたが、一度トイレに行ったり玄米ヨーグルトシェイクとやらを食べたりして、スタンド席からの眺めなどを見てまわったりした。スタンド席からのほうが高い位置でステージの全貌はよく見えてよかったけど、どうしてもサイドだと音の聞こえが偏った聞こえ方するし、やはり見下ろすことになるから冷めた視線で見る感じになるなあと思い、シロップはやっぱりアリーナで前方行こうと決める。そんでまたアリーナへ向かう。しかし転換時などは通路がすごく混み合ってるし動きずらかった。なんとなく全体を把握していったら動きやすくなったけど。屋内フェスってこうゆうところが大変ていうかめんどくさいんだなあと思った。

そして四番手でシロップ。アリーナ前ブロックへ。前のバンドからの転換はステージ台車みたいなものにシロップの機材がまるまるのって運ばれてきていた。スタッフさんが五十嵐さんのギターをチェックするため鳴らすその音だけでうわぁっとしたもやが頭にふってくる感じがした。べつに五十嵐さんの音自体に感動したわけではなく、ただ、その前に3バンド聞いてるから、その音たちとの違いに、これがシロップのギターの音だということをはっきりと意識させられたということだった。ああそうか他との違いによって五十嵐さんのギターの音が自分にはこんな風に改めて入ってくるんだなあというのはまた新鮮だった。つぎにまきりんのベースが鳴らされた時も、同じくうわあっとしたものがどろりと流れ込んできた。知っているものなのに初めて聞くかのようにしびれが走る。やはりこう改めて聞くとシロップの音は他バンドに比べてずいぶん違う気がしたが。まあ世代、時代が違うというのもあるだろうけど、他のバンドは振れ幅の少ないギリっとした鋭い音という感じだけどシロップはやっぱりあまったるいのびたような音だ。単体ではそうだと認識していたけど、そうかこんなに違うんだなあということがワンマンでは見えなかったところだから面白い。こないだ月見ルでみたマルケスさんの音がレゲマス時代の音に似てるなあと今時こうゆうあまったるい音出す人なかなかいないんだけどと思ったのは間違ってはいなかったのかなというのと、いやでもストラトでもじゅうぶんあまったるい音出してくれてるんだという気づきと。マキリンの音もけっこうのびた音だったんだなあ。うーん、我ながら気づくのが遅すぎる。


ステージ前方のバーがおりてきていてまた上がっていくと思ったら薄い幕がとりつけられていた。あらシロップ特別仕様?と思っていたら、あれ、中畑さんが出てきてる、と思ったら五十嵐さんもよくやる両手で頭ぼさぼさっとかきまぜながら出てきてる。それでそのまま三人でかるく音出しをしていたから、これはシロップが今年ライブ6本しかやってないゆえ当日リハなしでやるのはハンデがでかいというか、むずかしいからそれの配慮なのかなと思った。まあツアーから3ヶ月以上あいてるし当日リハなしでライブやるのは他のライブをがっつりやってきてるバンドとの差がさすがにきついんじゃないかなあと思っていたからなんだかほっとした。そしてこの幕のつけかただとあの曲はやっぱりやるだろうと思った。そしてたぶん音出しでステージに出たままからスタート。あのジングルがダントツで似合わないバンドだと思った。

1曲目は生きているよりマシさ、ちょっと意外。五十嵐さんはやはり、1曲目の歌い出しが不安定。そしてなんとなく調子が悪い声にも聞こえる気がしたけど、場所のせいなのかなとか思ったりする。でも、最後までよく歌えていたと思うし悪くなかった。どうしても1曲目は弱くなりがちというのは今後変わっていってくれるといいけれど。生きているよりマシさ死んでいるほうがマシさと歌い上げるこの曲が今ここで響いていることに気持ちがすくっとする。やっぱりハッキリと歌い上げるシロップの歌が好きだと思う。気持ちがいい。この曲ではうす幕をスクリーンとして使って渦巻き模様みたいなのが映されたりしていたけどあれってKrankeツアーのときにも見たのと似てた。色によってはステージ上がぜんぜん見えなかったりもした。まあいいか。

2曲目、ここでsonic disorder、けっこうお客さんもりあがる。まあシロップファンならこの展開わかるよねってかんじで。マキリンのベースから五十嵐さんのギターがはいりはいつも同じだけど鳴らす音がちょっとまた変わってたような?あれどうだったかなってもはやうすら覚えだが。幕は落とされる。あの演出はもうお決まりでもうれしいかも。高校1年のマラソン大会のとき、この曲がずーっと頭の中にながれていた思い出がある。その追い立てられる焦燥感みたいなものがなつかしい。Krankeのときにはやらなかったから聞けて嬉しかったけど、いつもよりは大人しめな印象ではあった。まだエンジンあたたまらず、か。

3曲目、生活、わーいまた生活だーと思う。まあシロップのなかで明るくテンポよい曲だしはじめて見る人にもウケはいいのかな?とも思うし、なんか異様に遠い昔の曲のようにも思える。でも考えてみたら生活は特にアレンジが変わってたりもない曲なのかもしれない。昔とずっと同じ。自分のなかではこの曲はずっと同じ場所にいるような感じがしている。

4曲目、神のカルマ、この流れだとすごく初期っぽい、クーデター発売前ころとかのセットリストみたいだなあと思う。そして私はどうしてもこれがくると歌詞大丈夫かなと不安と心配がどっとくる。しかもこれワンマンじゃないしとさえ思う心配。しかし大丈夫だった。最新ビデオの棚の前で〜まできてようやくほっとするような気持ち。その点ではいつも新鮮っちゃ新鮮だ。そろそろよい感じにバンドのテンションも五十嵐さんの声もあたたまってきた感じ。二回目の調和のところが声がえらく高く出ていたけどそこはまたよかった。

5曲目、パープルムカデ、ん?と思って五十嵐さんのギターみたらなんとストラトでそのまま弾いているじゃないか!いいよいいよストラト!まあイベントだしギター変えたりはしない、そうなんだけどストラトで弾くムカデは珍しいと思うし少なくとも再結成後は初めてだろう。でもたしか新曲としてムカデをやりはじめたときはまだレゲエマスターでやってたんだったかなあ。いつもムカデのときのみ弾くわかりずらいけど紫がかってるギターの音はじゃきじゃきしていて少し好きじゃないところがある。それがストラトだったからかどうかわからないけど、この日のムカデは今まで見聞きしてきたなかで一番良かった、好きだった。中盤からどんどん殻がむけていくような、バンドの音がどんどん動き出してくるような感じがした。っていうところで私はもう完全はしゃぎはじめてしまうからステージぜんぜん見てなかったけど、たしか、最後の方で中畑さんのドラムがいつもより冴えていった気がする。鮮やかに放たれていた。そこでまたバチンと頬打たれるかんじ。帰ってからムカデの音源聞いてみたけどそうかこれもけっこうアレンジきかせていってるんだよなあと興味深い。

6曲目、リアル、始まる前に五十嵐さんが3音くらい音を鳴らしてそれはすぐリアルだってわかったんだけどそれはミスというほどじゃない感じが私はした、ちょっと音を出したか鳴らしたかくらいの、だけどそこでがんばれーってお客の声が入って、五十嵐さんは手あげてこたえてたけど、それはちょっと言わなくてもいいんじゃないかなあと思った。そんなんはシロップライブで定番みたいな流れがあるかもしれないけど、でもやっぱがんばれ言われるのは嬉しくないんじゃないかと思っちゃうし、ただ見守ってあげたらいいのにと思う。言われなくてもわかっていると思うっていうか、野暮なこと言うなあって感じがする。個人的には白ける。
しかしそんなんも吹き飛ばすほどのよいリアル。ムカデからリアルの流れがほんと良かったなあ。ここで一気に上り調子にもっていった感じ。シロップのなかではちょっと長めのこのリアル、まあ一応後期に入るかなという曲のなかでライブを通して盛り上がる一曲として育ててきた曲として大事で誇らしい曲だなあと思う。私はこのシロップの音が単純に好きだなあと思う。好きというだけで語れないし終われないんだけど、今年また見れる機会があるとは思っていなかったし、いつまたやるのかなどうしてるんだろうどうなるんだろうなという気持ちを抱えっぱなしでいたところにああ三人が鳴らしているというのを当たり前のようにふつうに目にすることができて、そのことを噛みしめる重さであり軽さを感じた。ふつうのあたりまえのバンドであってほしい。そう思っていた。そんなことを確認せずにはいられないところがある。けれどまあ一回一回それをちゃんと見せてもらえているから、それでけっこう十分うれしくなる。最後の妄想リアルと繰りかえす歌声にしびれる。すごくかっこよかった。よかった!

五十嵐さんはリアル終わりでいつも以上に息を切らしている感じがした。マイクがもろに拾う。そしていつもながらあのえっとという感じで喋り始める。テレフォンズとは昔入ってるスタジオが一緒だったりして、でも世代が違いすぎて、でも義理堅く今回読んでくれてみたいな話からもじゃもじゃ〜(忘れたけどまた一緒にやれるようにとかだったかも)みんな(観客のほうを手振りでさしたと思う)と一緒に待ちたいと思いますみたいなことを言ったような。最後にこの曲でということで7曲目、Reborn、私は翌日をやってくれたらいいなあと思っていたけども。けれどイントロなった瞬間、バーンとした幕がひらける感じ。おわりなんだけど、開く感覚がある。終わりの始まりの象徴なのかもしれないが。シロップが、一度この曲を最後に解散したバンドが、活動休止するバンドに対して待つといい、Rebornを送るようにして歌うっていうのは、なんだか不思議な感じはした。でも、そこに嘘はないっていうそのままの姿がある気がした。たぶん他のバンドも7曲程度だったと思うんだけど露骨にシロップだけえらく短く感じるっていう。そして最後になって急にステージ上が一切見えなくなる。まわりが結構男性が多かった。どっちにしろギターのコードが浮かんでしょうがない。

始まるの待ってる間にそうかスタンディングのライブは今年初なんだなと気づく。いやまあ正確にはどっちもどっちだけど。でもアリーナでそわそわしながら待っている感じは、シロップでのそれは久しぶりだからわくわくした。nhkホールのときは3階席だったから、というのもあって今回は真正面から見たいというのもあった。前のほう全部が全部シロップファンではないなーって感じだったけど、シロップファンなんだろうという人たちでもぜんぜん動かない人たちも多くこんなもんなのかなあという気もした。でもそれなりに歓声が上がったり盛り上がったりの感じがあってああもっとライブハウスでシロップ見たいなあと思った。
例えばyoutubeで昔のフェスに出てたときの映像などと比べると、やはり誠実に演奏を置きにいっていると感じた。まあそれ以外でも昔はやはりミスが目立ってしまうライブがあったことを思うと、今回久々のというか再結成後はじめての複数のバンドが出るなかで、どう演奏して見せれるのかというのは気になっていたから、そこでシロップはこうやってライブをするんだっていうのをあのデカ広い会場ではっきりと見せてくれたのはよかった。他のバンドがテレフォンズを思い盛り上げたりはしゃいだりしているなか、シロップは喋りもはたしてあるのかどうかと思ったけど、自分たちのすることを果たしていたと思う。昔だったらまた違ったろうと思う。
こんな風にこんな場所で見れるなんて、とてもよい機会だったと思う。シロップは解散期間があるぶん他のバンドとはどうしても時代、世代のズレがあるけど、それでもさいたまの先輩としてシロップを呼んでくれたテレフォンズにありがたい思い。この機会だったから出たのかなとも思うし。そんなふうに呼んでもらえてよかったねと思う。


シロップ後はスタンド席へ移動して見た。サカナクションがショーとして見事なライブをしていて、お客さんからも信頼されたまさに売れて多くの人が知っている曲、バンドっていうものを目の当たりにした。音圧もサカナクションだけ違ったんじゃないか。でも前日の仕事のせいかはじまる前から眠かったけどベースの重低音がすごく椅子の背面にひびいてくるしそこに眠りをさそうようなやわらかなエレクトロっぽい音でねむった。いや贅沢だこれはしかし心地よかったなー