山本精一さんの先月出したアコギインストアルバムpalmのレコ発ソロライブ@bar isheeを見に行った。最近ここでやること多いし、この感じでやるのが山本さんが好んでいるのかな。私としてはライブハウスよりなにかとゆるくてジンジャエールが瓶のウィルキンソンなのがかなり好印象だし(ドリンクサーバー置いてないからだろうが)店主イッシーさんの1人できりもりされてる対応も好きだし千駄木から帰る道のりはいつもと違う空気でわるくない。少人数、座りだと30人くらいかなという親密なしかしだからこその気張りもないようなラフさがなにか居心地を感じる。今回は予約受付はじまってわりとすぐに申し込め、前から2列目、ここなら山本さんの手元も確実に見えるってところで見れた。しかし始まってみるとMacBookがひらかれていてネックの部分がみごとに全部それで隠れてしまっていた。うわ、どんな感じでコードおさえたりしてるのか見たいと思っていたのに、ぜんぜん見えないショック。しょうがないので右手をよく見ておいた。手きれいだなーと見えた。
一部はレコ発なのに30分ほどの即興という。前半は単音ひきでちょうど分かれ目とわかるような間があって後半はコードストローク。ああこれがすごく良かったな。山本さんのアコギで奏でる世界ってそれはまさしくどこかへ行ってしまう。それはどこかへの旅行のよう。どこか今まで自分の知らない異文化にふれて、でもそのうちそこにいい匂いを感じ居心地さえも落ち着きさえも感じ始めてしまうような、いつからここがありいつからここが始まりいつから自分はここにいるのかわからなくなるようなところへ行ってしまう。去年のテクノアコギライブのときもずいぶんとそんな景色といえば宇宙のような真っ暗な景色ばかりが静かにただ静かにすぎていくような宇宙旅行のようなものだったけど、やはりまたそこに通じてしまう、通路を通っているようだった。最後の最後には山本さんが右手をすごい速さでストロークしていて、もうほんとうにそれが漫画みたいに漫画の描写みたいに連続性をもった高速の動きとしてあって、驚かされた。そんなに速く、また強く、人は腕を手を動かせるのかと。眼をつむって聞こうとすると音の圧倒する勢いが眼をとじさせない、開かせようとしてくるのだった。まけた…。

二部はpalmからやってくれた。
このひっそりした薄暗い空間で誰も喋らず動かずしかし赤ん坊の笑い声やら泣き声やらだけ山本さんの歌に音にのっかってくるでも人の気配はあるようなないような自分の体ひとつでありみんなの体もひとつずつでありしかしみんなの体は集合体のひとつとして、みな石ころのようにじっとして体をすきにしてただたしかに聞き入るようなのぼせているようなたった1人が奏でるギターの音への集中と解放がもうろうと入り混じっているような。その空間はなにか普通すぎるようでありいやしかしなにか奇異なようであり、なにかとわからないままになる。

山本さんのような人のギターを間近で見れるというのはなかなか貴重な体験のように思えるいつも。いやちょっと努力すればその機会はえられる。間近ではどちらかいったら見やすいてことかもしれない。でもやっぱりいつも違うということを思うといつものそのつどが貴重で別個の体験だ。とくにアコギの山本さんの音は別格でなにかにひっぱられるかのようにひかれてしまう。原則のないような音のつづき。みんなで聞き入るという空間。やすらかでもう死ぬ手前ですかみたいな。最後のほほえみのようなお花畑かと思われるものさえ見えてくる。もはや自分には山本さんの音がよくわからないというか、なんなのかとはわからない。なにがなんなのか。この音が普通で当たり前なのか奇妙なのか特異なのか。ノンアルコールで沈みこんでいくどこかは正常な気だけはたしかなんだけれどゆえに不確かさが夢か現かわからなくなると。
セットリストはこんな感じ?soup、catalyst、canyon、?(これは曲だったのかな?わからん)、physarum、一曲目は確かにsoupだったと思うんだがおわってみるとあやふやだ。physarumもああゆう音色のものはこれしかないからこれだとその時は思っていたんだけど終わってみるとじしんをなくす。まあでもだれもセットリストなんて求めてないか。catalyst、canyonではMacBookから録音のギターリズムをながしてそれに重ねてひいていた。

アンコールは前作Lightsより、thousand moonを。MacBookから流れてきた音は音源より低い音だったけど。前作が好きでっていうか、前作のレコ発で山本さんのアコギインストにやられてしまった感じだったんだよなあ。まあなかなか他にアコギのみで聴く人もいないしなあ。うたものともまた違う。もうろう具合が、他じゃないかなあ。

終わると次回3/3のお知らせをする山本さん。やばいですよ、とかとか言いはじめたら多分キチガイなことになります、失敗するかも、僕にしかできません、僕キチガイなんで、そうゆうのを更生する施設があるらしいんですが、音楽療法があって、それは逆効果なんじゃないかと思いますけどとか喋りだして笑うしかないのか苦笑するしかないっていうか。でも音楽療法のくだりはおもしろかったな…。音楽療法という言葉も発する人をえらぶものだな…。なんか皮肉すぎるというか。しかしその言葉にのって予約いれてしまったよね。むむん、好奇心がでてしまった。


2月はdownyワンマンと秋山会も行ったのにちゃんと書けず終わってしまう。だめだな