液体か、涙は または水とゆめ

あなたも誰かの日記に記されているのかもしれない

ときにときどき自分の過去の日記を読み返すことがある。それはいろんなタイミングで。読み出すと、ちょっと止まらなくなる。そして我ながらよくこんなに書いてるなと驚いたりする。しかしその書いているときというのはあふれてくるものをはやくはやくとあっぷあっぷしながらはり留めていかなきゃという焦りの気持ちがある。魚がどんどん飛び跳ねてくるからそれをはやく捕まえなきゃつかまえなきゃと、でもいくら手を出しても魚がどちらからも飛び出てくるのであっぷあっぷしているようなそんな。最近ではその症状のときだけ書くみたいなことになっている気がする。なんかやっぱパソコンだと画面に向き合う感じがあるんだけどもう今はiPadiPodの人になってしまったせいかなかなかそこが沿わないようだ。いつかパソコンを自前で買ったらまた違う環境かもしれない。
しかし記憶は薄れ消えていくものだ。ということで今年の書き残していなかったライブの感想などやっぱり残していこうかなーとか思う。ツイッターではその瞬時のものを書いてしまいそこで思いが満足しすぎちゃうともう先へつづかない。うーんでもそれってどうなのという疑念もある。
まず今月の3日は山本精一さんのイッシーで自由にギターを弾く会vol.25@千駄木bar issheeを見た。ここくるのくせになってしまう。予約は10番よりあとだった気がするけど前から2列目で見れたんだったような。1列につき3人か4人だけどちょうど前があいた形になりよく見えた。よく見えたっていっても今回はほぼ完全に照明落としていたんじゃないかな。山本さんの機材手元用照明くらい。お客さんはこれの前週のときよりは少なかったかなあ、20人くらいか。たのしいなあここで見るの。って感想がもう出ちゃうようになってきた。
ツイッターを頼りに記憶をひきよせていく。なにかすごすぎるしこわくて泣きそうになるというよな感覚だが誰にもそれを伝えられないし伝えようとも思えない、しかしこれはこの音楽はなんなんだと思っていたが最後に山本さんが脳内宇宙、それに接続しているようなものと言っていてそう言われるとほっとした。単純に、自分のなかでその得体のしれなさすぎる何とわからない名のつかないものに対するおそれがあったからだ。だから泣きそうな気持ちがこみあがったと思う。だけど、山本さんがちゃんとこれは自分の脳内宇宙だと名付けて言ってくれたので、そうかそうなのかとほっとしたという。いやまあそんな体験は音楽ではじめてだったな。おそるべし以外のなにでもないわ。
たぶんこのライブが都内のどこぞのそれなりの大きさのもっとメジャーっぽいライブをするライブハウスであったとしたらやばいのなんのって言葉が狂喜乱舞してもおかしくないと思える。だってやっばいもの。でもそのような簡易な言葉には追いつけない膨大なあらゆるものが次々と広がる。しかし山本さんの場合それ自体が目的ではないというか。それはやはり結果というか総合結果であるというのか。
最近あきらかに自分のなかで山本さんびいきな潮の流れのようなものがあるわけだけど、なかでもソロで見られるものがおもしろくてたまらない。それは後から総じて言えばおもしろいという形容だけど実際はそれより仰天だ。千駄木の地下で20人くらいのなかぶったまげることに引き寄せられてる。お客のグルーヴという全体の共有するような雰囲気はうすい。個々人で受け止めるしかなく、それは例えば誰か一人の話をみんなで聞く、教会やお寺での場面に似ているのかなとか思う。そうだな、ライブっていうよりそっちの感じに近いかな。なんとなく。ライブはお客さんの発露するものもあっての雰囲気とかが好きなところだけど、それだけではないものがありうるのだと。感動ですらないような。気持ちいいわけでも楽しくなるわけでもない。だが2部の中盤あたりで猛烈に尻が痛くなってきて意識がそっちに流れて眠くなってきた、と思ったらなにかすごい展開がぐいぐいきてそしたら笑わずにいられなくなってきた。あれはもう二度といけないところだ。もう今になってはそれがどんな音だったかと思い出すことはできない、正確には。どこにも記録されていない。そのときだけそこでその土地に穴をほったような出来事だ。それはもう終わってしまえばまたうもれてしまう。そのときにしか見られなかった地球の穴のようなものだった。山本さんがbar issheeでこの先も繰り広げようとしているものはいったいなんなのか。どんどんやばくなっていくと本人が言っていたがこわすぎる。次は、、、4月30日だっけ?とイッシーさんに唐とつに尋ねる山本さん。イッシーさんが、え?…と聞き返すと次、30日だっけ?とか同じこと言う山本さん、イッシーさんは再度、え、、?と返す、もうここではこちらは次決まってるの?そうなの?という気持ちでしかないが、イッシーさんが明らかに本気で、え?なんの話?という受け応えをしているので笑うところなのかなんなのかさっぱりわからない戸惑いの空気に向かっていくあの不安定な渦の空気と言ったらなかった。もう一度くらい、つぎ、30日、のやりとりののち、イッシーさんがまだお話伺ってないですが…と言って、じゃあ次4月30日で、と決めちゃう山本さん。でも今、山本さんその日違うライブ日程出てるよねっていう。とりあえずほんと最後のとぼけ押しの一撃がほんとこわかった。ライブはすごくすごくすごくよかったわけだけど。いやもうほんとこんなん見聞きしちゃったらますます山本さんの潮目にひかれていってしまうだろう。かなり省略ぎみだけどそんな感じで高揚した。issheeであるときはかならず参加したい。
しかし購入したCDRの中身があきらかに外見と違っていた。アコギ歌物かったつもりが流れてきたのはエレキソロなものだったんで耳がびっくりしたよ。まあこれもこれでいいけどさ、次回本物あったらそっちの中身とこっちの外見で売ってくれないかな。