液体か、涙は または水とゆめ

あなたも誰かの日記に記されているのかもしれない

17日に見たOGRE YOU ASSHOLE at 日比谷野外大音楽堂QUADRAPHONIC SOUND LIVE ー、あいにくの雨、大雨、に見まわれたものの数日たってもいまだになにか余韻が残されているどうしょうもなさ。体がのっとられてしまったみたいに、船にずっとゆられてちるみたいに。
どうもツイッターでほんの一部のことを書いただけなのに、書いたという満足感にそれだけで浸れてしまうようで、それで終わってしまうがほんとうはそれだけではないのにな。全然ないのにな。
天気予報はどれだけ更新させてもちょうど18時頃に雨マークがついて消えやしなかった。しかしカッパは実家に置いてきてしまっていてユニクロの薄手のパーカーしかない。しょうがないからハーフパンツに着替えて、もし雨が降っても濡れる服がすくないようにと、あと多めにゴミ袋、一応の上下の着替え、タオルなどをリュックにつめた。家を出るときですでにもうあやしい空色をしていた。
開場時間ちょうどくらいに着くとすでに番号はよびはじめていて、90番台だったのですぐ入れた。席はPAのすぐ横、ちょうど通路の区切りになるあたり。いつもROVOを見てるときの座席に近い。ただROVOのときよりPAブース自体が前に出ていたな。
オウガのお客さんはふだん自分が行くライブの客層より若い人が多くて、若いなあと思う。オウガのメンバーは私より年上だが。ていうか自分がふだんいくライブの客層っていったい、あれ?なんだっけ?
開演時間の17時をすぎたころ、PAブースにPA御一行様がやってきた。なんかどこかうきうきしつつ、締まった顔つきで、ブース前や左右にかけてあった透明のカーテンなんかも、これもとっちゃおうかー!とか言っている。のちに増強されてたと思うが。


15分は過ぎただろうか、4人が特に派手なアクションもなくしとしと歩きでてきた。そして4人とも立っているし、担当楽器を手にもしない。4人してひとりずつそれぞれ四角い箱を、シンセサイザーを?、奏で始めた。あれはなんというかすごいドキリとしたし、一目ぼれしてしまいそうなかっこよさがあった。何も言わず、しかしいつもと違うなにかをはじめてしまう。この人たちはロックバンドなのではなかったか?もちろん何をしたって許されるのに、何をしちゃいけない、何をしたら違うなんてことないはずなのに、それでもそんなことを思うなんて、それは結局私自身が絵に描いたようなきまりきった風景しか想像していないからだ。
ひとりずつの音がそれぞれ別個のスピーカーから出ていたと思う。下手後方からぶふんという音のかたまりがでてきたとき、お客さんがそろってうしろをふりむいたのが面白かった。音の存在が、気配というより音そのものの存在を後ろにはっきりと感じたのだ。演奏者は前方にいるのに。音は発する人そのものだけでできていないなあとハッキリとよくわかる場面だった。

誰だかわからないけどだれかがメロディをならしはじめた数秒後、ぽつりときた。なんてタイミング。どちらがどちらを報せたのか。お客さんがぱらぱらと雨具の準備などを始める。その向こう側でメンバーも自分の担当楽器へ持ち変わっていた。そしてたぶん馬渕さんのギターの音、それだけでその音はなにか特別に丁寧につくられた音と感じた。どのような何が施されているかはわからないのに、ふるいブリキのおもちゃが丁寧に油をさされて動き出したみたいなそうゆう気配を感じた。不思議だった。

4、5曲目あたりでついに雨は本格的になりはじめた。これはふるぞ、ふってくるぞと。いそいそする前方のお客さんたちの向こう、背景として演奏をつづけるオウガ。なんともそのコントラストというか、ずれた世界のありようがおもしろくも見える。彼らは私たちに向かって演奏をしているようで、しかし誰のためでもなく自分たちが演奏をするためにそこにいる、ということが端的にしめされているような光景でもある。
素敵な予感の演奏時にまず大きなピークを迎えた、と思った。雨の強さも、演奏も。あまりに雨が強くなってきて、キャップをかぶっていたもののそれも浸水してきており顔にも雨がつたってくる。なんだかもう雨で前すらよく見えないような気がしている。しかし演奏はなにも変わらず、まるでステージには何の害もないかのように、演奏がつづいている。そして音が爆発する。それは音が壊れた音なのだ。音が爆破され、そこから煙とともに出てくる音って、こうゆゆものなんでしょう、という感じ。このあとなんどかやはり壊れた音を聞いた。それは音が破壊されてるわけでもなく、音がこっぱみじんになってるとかでもない。つくりこまれた音として、壊れた音を、音響を私は聞き、見たのだと思う。それはまるで映画のようだった。映画の音響のように、映画のひと場面のように。鉱石場とか、そうゆう場面だった。畠山直哉さんの写真とかの感じあったな。

本編最後でなんと雨がやんでいった。なんてことだ。すごいな。フードを取るとそれだけで体が軽くなっていったような気がした。雨は重いらしい。体の中も地球も水分だらけでできてるだろうに、体の外にまとうことはなぜこんなにも重いのか、と思ってしまう。

あとでツイッターで書いたことをつけたそう。