液体か、涙は または水とゆめ

あなたも誰かの日記に記されているのかもしれない

最近なぜか急にジャズを結構聞けるようになった。と思ったら他にも今まであまり興味の持てなかった日本の音楽にも興味が持てるようになってきたりした。お、まさか年をとってこんなことがあろうとはな。なぜどうしてだったか忘れたがその中でもまず気にいったのがこれ。あ、思い出した、菊池さんが選曲したジャズアルバムに入ってたんだよねこれ。なるたんならではのお仕事って感じで最高。


Bill Evans & Jim Hall Duo - Romain

apple musicがあることによってふとそういえばと思い出したような音楽を気軽に繰り返し聞けるようになった、その影響は大きい。とはいえなぜだろうか、ジャズをこんなに積極的に受け入れられるようになったのは。まあ一つ考えられるのは去年スーパーデラックスで見たONJQによる影響か。ツイッターで書いたのを自分でもよく覚えているが、あのライブで自分はようやく初めてジャズという音楽の持つフリーさというのをまさに実感したものだ。遅い、遅すぎる、なんなのそれ、、とは我ながら思うが、どうしてもジャズに対するハードルを感じていたのは確かだ。

私は主に芳垣さんを通じてジャズを聴いてきているのだが、私が芳垣さんを好きになったそもそもはROVOでありDCPRGがあり、その次にVincent AtmicusがありEmergency!があってアルタードステイツ、即興があるみたいな感じだろうか。なのでもともと率直なジャズには関わりが薄い。しかし芳垣さんの活動を追おうとすれば避けられない。Emergency!はジャズだけどアグレシッブさが強かったので17歳だった私にもかなり入りやすかったみたいなものはあるような。でもあまりライブをやらないグループなので結局はジャズは疎遠でありより不可解なイメージだけが増大。菊地さんの仕事からもあまりジャズの魅力はわからなかった。

大学に入ってからそんなに音楽を追いかけなくなり、大学卒業後はますます聞かなくなっていたが、芳垣さんをピットインに見に行くことは時々していた。特定のグループではなく、その時々で集めたメンバーなどのライブでオーネットコールマンなどをまず知る。お、良いな?と思ってCDを買った。良い、が、特別ハマるかと言ったらそれもない、というのが実態だった。良い、以上の接近の仕方がわからないといった感じ。これをどう自分に含めればいいのかわからないといった感じ。

でもそれでも嫌いにはならなかったし、むしろ芳垣さんのやってる音楽を少なからず知りたい、理解したいというのはあったのでオルケスタリブレのライブなどにも行ってみたりした。芳垣さんが時々曲名などを言ってくれるのでそれを必死に覚えたりしながら。結局私はジャズでジャズの何を聞けばいいのか、聞き方がよくわからないという感覚があったのだ。聞くことは出来る、でもどこを楽しんで聞くのかといったあたりで自分の中に確たるものがなかった。でも芳垣さんのドラムを見たい聞きたい、何が起こっているのかを知りたいという思い、まあそれが残っていたからよかったのかも。

それでまあ自分としてはやはり芳垣さんがローランドカークのあふれ出る涙をやったのが大きかったな。これは一体いつのなんのライブだったか、Emergency!の数年ぶりのライブだっただろうか。もしかしたら前にも他のライブで聞いてたかもしれないが、とにかくそれに胸打たれた。そこからローランドカークはなんか面白いぞ、となれた。でもそれでもやっぱりジャズの世界はややこしい。そう見える。それがなんか、めんどくさい。メンバー構成がよく変わるとか、時代による移り変わりとか。まあ現在進行形のジャズを追えばそんな過去のもろもろにとらわれる必要もないのかもしれないが、そうもいかず。でもなんとか少し印象が良くなる。

自分としてもどうにかジャズを知りたい気持ちはあった。どうしたら楽しめるのか?というのはあった。それを知れないと、芳垣さんの演奏をより見知る事ができないのでそれではつまらんという思いなんかも。しかし理論や歴史を追うほどの興味は持てない、それならそれでしょうがないが。そんな矢先に見れたONJQはようやくわかった!少し、わかった!つかめた!という喜びがあった。でもまあそれもほんの一瞬間のことであったとも思うけど、それでもその実感を得たのは奇跡でありこれまでなんとかわからんわからん思いながらも芳垣さんの演奏を見てきた積み重ねが、時間があったからこそだとも思える。

なぜなら、今apple musicでジャズを聞いた時に頭に浮かぶのは芳垣さんの演奏だからだ。それはなんていうか、あ、こういうシンバルの叩き方って芳垣さんもよくやってるやつだ、こういうドラムの軽さって芳垣さんがやってたやつだ、とか、大体が芳垣さんですでに見聞きしている音を思い描けるので、なんだ実はけっこう知ってる手触りじゃん?といった具合で聞けるのだ。これは、なんと、驚きの発見だった。急になぜこんな?と思うけど、こうなれるには自分にはこんだけの時間が必要だったんだろうと思う他ない。

今はとりあえず少しずつ有名どころを聞いてみてる。楽しい。理解をするにはまだまだ全然だけど、自分の中での楽しみ方はちゃんと体に入ってきているそれだけでまず十分だ。

 


Rahsaan Roland Kirk - The Inflated Tear [Live in Prague, 1967]