古着の緑色のシャツ



1人でぐるぐると考えているといくら振り切ろうったってそこに沈没してしまう。女であること、それ自体すでに負けている気がしてしまう。そんな風に考えてしまう自分も嫌だが、ぬぐいきれない。負けを意識しすぎているせいだろうか。女であることにしがみついた弱さだろうか。男だったらどうだという。



卒業研究を提出したその日からちょうど1週間、涙をどばどばと流した。提出するその時、制作ノートのファイルに一枚の紙をホチキスで留めようとして、誤って左手の人差し指にホチキスをうってしまった。眼に、指の腹に芯がプスリと刺さっているのがそこだけクローズアップされピントがあわされたようにしてはっきりと映った。その光景は保育園児の頃、母の会社で同じことをした時に眼にしたものと同じだった。一瞬にして脳裏にそれが浮かんだ。色んなこと、すべてが急速に巻き戻った。

驚いた私は、すぐさまに声をあげ、すぐさまに自分でホチキスの芯を抜いた。穴が二つあいた。もの凄く痛かったわけではない、21の私にとってそれは軽いものだったように思う。けれど、眼からは涙がぼろぼろと出てきて、私は自分の状況に頭を真っ白にして泣いた。色んなことが消えてなくなる。と同時に湧き起こる。

線が切断されることと新たに再度繋がれることは同時に起こる。なぜだろう。不思議なことだ。

私は未だに私の涙とは向き合えていなかったのだ。向き合えない。見ようとすることが出来ない。

どうしよ。中途半端なとこで書けなくなってしまった・・・。