液体か、涙は または水とゆめ

あなたも誰かの日記に記されているのかもしれない

空中キャンプさん(id:zoot32)の「2009年の映画をふりかえる」に参加します。それにしても出版まですごいですね。私は今年はじめてカポーティとかサリンジャーとか読みましたが(それでちょーすごいと思った)、これはまあ村上春樹の翻訳という点もあるけれど空中キャンプさんのとこで名前を見ていたから読んでみようと思ったとこがあったと思います。それとかもう今年じゃないけどカフカとかもそうだったのかもしれない。と思うと色々と影響をもらってます。ではさっそく。


1.名前(id、もしくはテキトーな名前)/性別
きゅ- / 女

2.2009年に劇場公開された映画でよかったものを3つ教えてください
まず『ハルフウェイ』が今年見たなかでは一番まっすぐにはじまりから終わりまでぐっと引き寄せられた。ハルフウェイという劇中で偶然から生まれてしまった言葉をタイトルにもってこれたところに製作者側の寛容さみたいなものが感じられて、いいなあと思う。
この物語には世界の外枠の大きなショックさとか、重大さとか、差異とか、決定的な問題とか謎とか人間の一生とか、長いかもしれない人生の中のほんのすこしのある時からある時までのささやかな途中を描いている。物語の途中、という時が、ほんとうにきらきらとしていて、自分は別に同じような体験をしたわけでもないし憧れたわけでもなく持っていない記憶なのになぜかそこにすぐに触れられて入ってしまえるところがとーてもよかった。
また、私は学生生活における自転車アイテムの介入がすごく好きなので、この作品で生活を描くにあたり頻繁に自転車のシーンがあったのもよかった。つけ加えて、若者に対して色々と経験を知っている大人がおしつけがましくない距離で教え導くようなものも好きで、これもこの映画では心地よく描かれていてそれもとても好き。
「早稲田やめてくんないかな」というセリフはアドリブ多用のこの作品の中でも台本のセリフかなと思うのだけど、これはすごくうまいんじゃないかと思う。

ふたつめに『そして、私たちは愛に帰る』。トルコとドイツを舞台に、両国の移民に関する事情を取り入れながら、それぞれに背景を持った親子3組の交差が描かれる。トルコという国についてあまり知識のなかった私にはトルコという国、宗教、町並み、顔、言葉、社会、どれもが新鮮だった。すれちがい、めぐりあいというような一見ありがちな描写があっさりと、はっきりと描かれていてくどさや嫌味がないのが印象的。物語がしっかりとある作品と思う。そこにとても惹かれた。

今年はこの2本で。


3.2で選んだ映画のなかで、印象に残っている場面をひとつ教えてください
ハルフウェイのラストシーン、音楽室の楽器の置いてある部屋みたいなとこでヒロがスネアをバババババと叩いて「東京に行ってほしくないですっ」と笑顔で言って、で、次何言うかなってとこで切れる、おわる、って感じだったと思うんだけど、この終わりかがそのまんま映画の内容そのものを現しているようでもあると思ったし、はずみよく見終えられた点で頭に残されたシーンがいくつもあるなかで一番印象的。



4.今年いちばんよかったなと思う役者さんは誰ですか

空気人形のペ・ドゥナがよかった。体が美しいのはもちろんだけど、それがエロさなどでなく「体」として見ることを迫られるしかないとこがどうにも一体何が起こってるのかというかんじ。生まれたての赤ん坊のようなきらめきから、世界を知って、愛も喜びもむなしさも悲しさも知ってそして終わりをむかえる最後まで、とってもみずみずしくあいらしくて、その生きている姿や表情にともに揺れ動くようにして見ていた気がする。ゴミ袋を見つめる姿はなんだかこわいくらいだった。


5.ひとことコメント
今年は17本の作品を映画館で見た!去年より3本増えた。それでも相変わらず見たいと思いながらも結局見に行かなかった作品がたくさんあったと思う。まあそれでも色々とがんばって見に行きました。ベスト3は昨年だとすぱっと出たのだけど、今年は3本目を選びきれず。チェンジリングも愛を読む人もよかったし、ディア・ドクターや母なる証明脳内ニューヨークもおもしろかったけど、選ぶには自分の中では何か足りず。海外作品をよく見るようになりました。



おまけ。
『空気人形』は唯一、是枝監督のティーチ・イン目当てもあり二回見た。映画監督の話を生で聞くのははじめてで、渋谷でのティーチ・インは空気人形の細部にわたる質問などが多かったけれど、最後に監督から「この場を答えあわせのためのものにはしたくなかった。作品は、出したら見た人それぞれの解釈でいい」というようなことをおっしゃり、そうゆう言葉は映画に限らず聞く言葉なんだけど、それをやはり直に監督本人から聞いたことの説得力というか、作品の気付かなかった意図など知れたことは嬉しかったんだけど、それより更にこの最後の一言にとってもじーんときた。来てよかったあと思った。是枝監督は11月の終わりにも文芸坐のオールナイト特集の際に話を聞くことができて、こっちは学生時代のことや過去作品からの制作話などが聞けてまたおもしろかった。

ついでに今年DVDで見た過去作品の中では、去年公開の『BOY A』と2004年くらい公開の『息子の部屋』がよかった。BOY Aの主役の男の子はいいな。