液体か、涙は または水とゆめ

あなたも誰かの日記に記されているのかもしれない

何枚かあるはずと思ってみたものの、どうも見つからない。次の年に行った写真ならけっこうあるのに。そしたらこの一枚だけがなぜかあった。撮影年は今から8年前だから2002年かぁ。空が明るくなってきたFOEの演奏の時だ。このひとスペシャにも映ってたもんね。ついこないだのかんじだけど年月はたってるものだなあ。そうゆうわけで一昨日の5月16日は日比谷野音ROVO MDT festival、いわゆる宇宙の日。ゲストにキセルとenvy。

キセルROVOというのは、はじめてライジングサンに行って初めて見た二組で、その前に音を聞いてたかどうかは覚えてないのだけど、そこで見てそれから好きになってライブ行くようになって今にいたるまで好きで、まあこの二組に限らず16の時にエゾで見た人たちというのがそれからずっと影響力が強くて私の今の音楽の趣味もそれらに支えられているようなもので、なのでキセルROVOとを一緒に見れるというのはなんだかすごくうれしい。UAのバンドで芳垣さんとキセル兄が一緒にやってるのを前にテレビで見て、おお!交流がふかまればと勝手に思っていたのだけど、まあROVO側としては前々からキセルと一緒にやりたいと思っていたらしく、私としてはむかーし自分の中におなじ場で時を同じくして発見して知ることのできた、入ってきた音楽の人たちが一緒にやるというのがたいへん嬉しい。8年前、キセルを見た時のこともROVOを見た時のこともすっごくすっごく覚えてる。やっぱ記憶としてはここらへんの年齢の時のことが一番覚えてて、20歳くらい以降は薄らいでいく傾向のような感じ、なにごとも。思春期に大きな影響をあたえられ、またそれにより色んな経験ももらえた人たちにしても始まるまでがすでにながい。


バッチリ晴れて陽射しでぽかぽかあたためられたなか、16時からキセル。2人のみで出てきたので2人だけでやるかなーと思ったら1曲目だけだった…。1曲目はうわ知ってる曲だーと思うも、タイトル思い出せず…。昔めの曲かと、ばっちし歌えたからなあ、覚えてるものだ。そっからはドラムとキーボードと入ってバンド形態になり、2曲目はたしか方舟。方舟はシングルで出た時からすごく好きで、歌詞のことばの運び具合もいいし、音が多いんだけどそれが一曲の世界を作るのにはすごく功を奏していると思う一曲。一曲でおなかいっぱいのかんじくらい。でもバンドの感じで聴くとちょっとすきじゃなかった。2人での演奏は聴いてるかなぁ、どうだろう。この曲は完全にCDの音空間がすきなんだなとにかく。その後は知らない曲もまざりつつ、んむーちょっとバンドの音だと流れのはやさを感じたり大きく感じたり。2人だけの方がいいなあと思うのは、なんか低い丈の草地を風がさーっと吹いていてその一斉に一方向へ流れる草のなめらかな風の流れを腰をかがめて頬を近づけてなでるようなささやかさを感じるようなぐあいが2人で作るぼそぼそした音からのほうが感じられて、すきなんだけどなあ。でも最後はベガ!前半は2人だけで。ベガいいよなー歌詞がいいのだよなー。安心するな。ひみつという新曲は弟っぽいかんじだな。アルバムツアーは赤坂ブリッツという、できれば小さいとこでまた見たいな。


17時からenvy。はじめて見聞き。ほしいももそもそ食べてたとこに、ぬほおー轟音、ふいつかれてびっくり。ギター2本いて、ヴォーカルもギターみたいなさけび感。ほおうーでもきれいなんだな。前の方で男の人々があたまふってるのが見ててたのしい。一見男くさいけどでもこれは女の人もすきだよねと思う。ぐわしゃあーという音の層があるんだけどさくさくパイ生地みたいに薄く重ねられた断層がきれいよねって感じで、なんかいつもだとROVO前ははやくROVO見たいなぁとそわそわしちゃうんだけど、落ち着く心地で聴いてられたな。


もはや時計をぜんぜん見てなかったけど18時過ぎからROVO。16時から比べると陽がおちているのを確認できる。そしてこれからもっと暗くなっていくんだとという予想がたつことにどきどきを覚えてしまう。芳垣さんかっこいー。ふがふが。山本さんがあんまもさくない。益子さんの髪型がもへあーと異型な形に見えたのは遠いからかどうなのか。

今回はまた新曲が続いた。ROVO野音で新曲聴くのがすごくたのしい。めきめきめきーむきむきむきーっとイメージの世界がむくむくつむがれて洪水のようなどばどば流れ出す感じ。私は基本メロディーがきれーに流れてるもの好むから最近のそうゆう傾向も歓迎。昔の曲の方がばきばきしてるかなと思うのだけど。(CDはあんま聴いてないわけだが)まあでもROVOの曲は一曲が長いわけで、はじめにもったイメージの世界はたいてい中盤あたりまでの持続性しかなく、メロディさも後半失われていくというか変形して別物になっていくなかで私のイメージ力もついていかなくなっている。ふ…。

1曲目はタイトルわからず、でも知ってる曲だよね、と。すーっと一羽の鳥が空へ高みへとななめに音も立てずにまっすぐあがっていって、そのまま水平に白い遠くへ消えて行ってしまうような感じだった。ツインドラムの息を抜くような終わりぐあいがいいのだな。私は毎年ROVOのはじめで足をつってるような。最近踊ってないということがまるわかり。始まる前には足ぐりぐりしとかないとだよなぁと思う。この1曲の中でも目とじて聴いててふと眼あけるとさっきより日が暮れてるのがわかる。色がおちてる。くふくふ嬉しくなる過程。

たぶん以降新曲がつづいて、2曲目は砂漠の土地でざんざんと注がれる太陽の下で玉虫みたいなギラギラしたような昆虫の鈍い色をはなってるかんじ。銅みたいな、にぶくてあかるい光の放ち方。それでいて昆虫の形の正確さ、精密さみたいなものも同時にそこを制しているような。とっつきやすく、波に乗れるようなかろやかさで受け入れられたかんじ。

3曲目は2曲目よりズームをもった視点で、なにか砂粒が見える感じ。そんで小さな動物のようなもの、などの骨がふわーっと浮き出てくる。なにかのというより、もはや見知らぬものの、微細なものが分裂してくっついてできあがったもの。そしてそれは小さなミクロの世界のようなものだからかとても愛でたくなる気分だった。

4曲目も新曲と思われて、これが一番ダークでおもしろくて特にすきと言えるかなあとおもう。これはいろんな生物の誕生をうかがわせる雰囲気がちりばめられている。海の中でぷくぷくとできたての空気が(酸素?)あがっていくのがみえて、その誕生を目の前で見ている感覚、そして海から陸にあがっていくなんだかわからない生き物が見えて、誕生と進化のひとときを提示されてるかんじ。あちこちで生まれている何かを知らせる音の多彩さがあって、海からひろがる陸地がぶわーっと想像させられて、妙に俯瞰的な視点をもってしまうという。とにかく後半のダークさがつよかったような。おもしろいと思う。

5曲目はさてはて新曲かどうかわからず…(あまりCDとか聞いてないので)これは最初に率直に漫画『鉄コン筋クリート』のシロの空想の世界のようだと思った。あわく色が広がりつながってるのがすぐにうかんだ。水彩なんだな。とうめいな海の水があって、下に砂浜がみえて、空中を魚が泳ぎ、ゾウに乗ってりんごを食べる。新曲かな。

次は一曲と数えていいのかわからないんだけど、岡部さんと芳垣さんのツインドラムによるセッション。うまーく前の曲の終わりで照明落として他のメンバー消えてるのがうまいな。これは即興なのかな。音がはじけとんでくることに体が素直にぴょんぴょん喜んでしまう。岡部さんが下からぬっと入っていって、芳垣さんが片足でふっととぶ、そんなような2人の応戦の具合といったらぐふふふと腹黒いような笑みをなぜかうかべてしまう。ドラムの音の中ではじけとぶのが私は一番たのしいなーと思ってしまう。この2人のはやっぱ素敵。ROVOで見てても2人が叩いている図はすごく自然であたりまえのことで、なんてないことをしてるように見えてしまうからこわい。単純に、双子みたいな音が鳴っている、と聴こえる。けしてひとつではなく、2人の人間が同時に発してる音として入ってくるその明細さが形容しがたくて、てかROVOはみんなそうやって、ひとつの世界を作り出しながら各自の活動がはっきり見えて聴こえてくるからとてもきれいだ。

6曲目は多分知らない曲だなーと思ったけど客の雰囲気で新曲ではないんだろうなーと思った。この曲はテトリスを、蛍光色を発するテトリスの色味や図形感をおぼえた。音がどんぴしゃモザイク模様のようにはめこまれていく、ぴしっとはまる感覚がさえわたってる。魚の群れが見せるショーのような正確さ、はねる、きえる、でる、はねる、線を描く、またその層、重なる、はまる、上下左右から組み込まれていく緻密な模様を描いていくような構造感。あ、で、なんかその積み重なっていくかんじがテトリスなのかも。

7曲目はNA-X、アンコールにSpica、ここらだけ曲名がわかる。この聴きなれた曲に入っていくと、これまでの疲労感と高揚感のまざったどろどろのなんだかわからないものになっていってる蓄積もつのってひたすら楽しむことに没頭。おどるしかないのだよ…。Spicaの反復のえんえんさがたまらない。しつこいっしつこいっって笑えてくるのだが。でもそこが一番すきだ。おどり続けるには体力が必要だ。Spicaのおわりのおわりのとき、もはや会場がどろどろの液状物体になって流れ出ていくように見えた。それくらい今年の野音ももりあがってた。VJの映像空間もずっと進化してってるような。昔はもっと平坦だったような。ステージの奥行き空間がしっかり使われてるというか。だからより客側から見てたらすごいことになる。だから野音はもりあがる。VJの迫田さんがあんな美人さんとは、びっくり。

やっぱり好きな音楽を生で聴いてる時って、しっかり頭使ってるなーというか、回転してる感じが自分でもわかる。聴きながらすごくこれはなんだろうこれはなんだろうっていう好奇心がキラキラ目覚めて、ザクザク金貨めざして穴掘りしてるような感じだ。うわっうわっこれはなんだーって最初にイメージや感覚的なものが浮き出てくるから、それを急いで言葉に変換していく、変換の作業が一番むずかしいけれど、言葉をもがき探していく感じがあって、でもそれは楽しくもある。それはROVOとか、歌がないとまあ余計にその作業が前面にでてくる。デートコースもそうだったし、Vincent Atmicusもすごくそうだし、まあメロディがきれいにあるものは入りやすいし、歌があっても場合によってモーサムでもよくあったと思う。だから、そのときはその言葉を忘れないようにするのにも必死になる。今回も、帰りの電車のって携帯にうちこんだものをもとに書いた。この作業も楽しかったりするから、2度おいしいなと思ったり。


今回は一人で見ていて、ROVO終了後毎年のみなみなさまに会いに行くも、声が出ない自分になっていた。これいつも不思議…べつに叫んでもないのに。水分ないのか?今回のおどろきは、びっちさんでさえ髪の毛がもしゃっと生えてて変化があったのに、ひとしがまるで17の時に新潟からエゾ一緒に行った時のままみたいな、見た瞬間その当時の情景がよみがえったくらいにまるで見た目が変わってないこと。アルプス山脈なみに変わらないものだと思った。神業?初めてお会いしたくりはらさんが非常におもしろい中、るびさんに新橋の改札まで見送ってもらい、帰宅して22時だけどカレー食べてアイス食べて情熱大陸見てお風呂はいらず寝てしまったー。あいやーと思いつつ、めでたいからいいかーと許せる寛大なこころをROVOからもらったのだ。