qyu2008-10-09

昨晩は、久しぶりなんだと思われる新宿ピットインへライブを見に行った。
Muitikulti:芳垣安洋(ds)、 船戸博史(b)、 大友良英(g)、 斉藤 "社長" 良一(g)というメンバーで、スケジュールを見ているとここ最近ちらほらこのバンドで演奏していると思う。船戸さんが水谷さんであればEmergency!だよな。前々からこれは行きたいなと思っていたものの、遠慮してやめておいたが、まあそんなもんはしょうもなくいらなかったらしく、結局家というものにもたれかかっていたのは私だけであった、ということで前日の夜中に行くことに決めた。行くのが久しぶりすぎたか、2.3回場所を間違える。紀伊国屋に寄ってからだから、東口の方から行くということで、簡単な道順のはずが、あれたしかこの道まがったとこだっけか…あ、違う、まだ先だ…を繰り返した。暗いとついつい先に対して適当になるものだな。

19:50ころ着いた時、直前にスーツの3人組の男性陣がいたが、なんかどうもピットインに聴きにきた感じがしない。がしかし入って行った。しかしやはり1stセットが終わったとこでさっさと帰った。どうゆう経緯があって来たんだろうと思ってしまう時間つぶし。

芳垣さんが出てきて早々「今日は後ろの方にこわい先輩方がいらっしゃってるのでしっかりやらなければ」のようなことを言う。それは片山広明さんであったりで、客席とステージとで会話。そして肝心のライブだが、1曲目にまずがつんと荒野で砂埃がまいあがるよな、エンジンがぶわああと排気出すのを顔面で受けたかのよな、そうゆうにおいを感じさせるかっこよさで、がふっと馬が顔をぶるぶるするような感じにうれしい。かっこいーーーうわーぐわー。私は昔っからこう嬉しくなると、ライブ見て嬉しくなると、口があいてしまうのですね。ほんとに口はうわーぐわーと言っている。しかしなんかそれはまぬけな感じもあるのでそれを食い止めようともする。結果変な顔になっていると思うが、きっとそうゆうときが自分がもっとも安らかな顔をしているんじゃないかと思う。とりあえず1曲目からそれになった。船戸さん以外の3人で一部ヴォーカルも取り、皆さんほえるような男気溢れる声でちょーかっこよい。

3曲目は「あふれ出る涙」という曲名を芳垣さんが言われて、印象的なタイトルだったので(日本語になってたし)覚えた。これはROLAND KIRKのInflated Tearと検索してわかる。ふむふむとタイトルから想像をふくらませて聴く。なんかこう、どこかあがりきらずさがりきらずのたえまなく動く流れが見えた気がして、そこでタイトルとあわさる。

1stは4曲。かっこいー。あっというまの1時間。船戸さんの演奏は初めて見聞きしたが、うわっふしぎなあらたな人だ、と驚く。コンバスを弾くのにああゆう姿勢の感じになるもんなんだ、と思う。全体的にカエルっぽいような印象を受ける。なんだろう…。1stセットの曲についてはどれもわからず。私はまったくジャズについて知らないから、Emergency!のときもそうだけど、人名とか曲名とか言われても元ネタがわからない。知っていた方が面白いのかもしれないと思いつつ、それぞれだろうということで、とりあえずその場の音を楽しむ。まあジャズだけでなく洋楽にもうといから、アルタードステイツ聴きに行ってもわからないことだらけなんだが。そう考えるといつも知らないものを聴きに行ってるのだな。

休憩を挟み2ndセットでは片山さんもお帰りになり、ではまた仕切りなおしてという具合に、芳垣さんがこれからやる曲について簡単な説明をしてくれた。「曲を知らない人の為に言うと…オーネット・コールマンというフリージャズという言葉をつくったというか、定着させた人がいて、その周辺にいた面白い人たちの曲をやりたいなと思い……」「…フリージャズって、言葉がかっこいいよね」(隣にいる斎藤さん笑いながら頷く)だれだれの曲とは言ったが覚えておらず、でも元は西アフリカの民謡だったという曲。これはまたよかった!元は民謡、というのがちょっとわかるかんじがした。なだらかに延々に続きそうなにおいがあって、こうゆう風に曲の背景を少し知るだけで曲を聴いて浮かべるイメージにより特徴をつけていけるのが嬉しく、芳垣さんの解説がとてもありがたい。んでたぶんこの1曲目はドン・チェリーのものと言ったような気がする。

2曲目はオーネット・コールマンの「Lonely Woman」という曲。2ndになってから自分の聴く余裕が出来てかタイトルとか覚えれるようになる。この2曲目は妙に印象的。なぜだろう、タイトルからしてひかれるところがあったが、んで今となってはなにがどうだったかも忘れたが、とてもいい演奏だったのだと思う。3曲目は忘れたがダブ?レゲエ?のような曲調、4曲目に芳垣さんのとても好きな曲だという「I Say A Little Prayer」、これは調べてBurt Bacharachの曲とわかる。わりと人名とか覚えるのは必死になる。「I Say A Little Prayer」と芳垣さんが消え入りそうな声で発し演奏へ、というそれにすんごいほれぼれ。かっこいい…。うううう。I Say A Little Prayerは前半しっとりなのに、バッチリ線引きしたかのように後半音が飛び散っていく。てか昔に私はこの曲をEmergency!で聴いているな、まだ大学入る前のころ。アンコールでは「力任せにやってもあれなんで最後は静かにやります」と、ほんとうに静かな曲でした。この曲の余韻があたまに残りながら帰りはさっさと南口へ帰れた。

久々にピットインでライブ行くのも久しぶりであれだけのものを聴いてしまって、いやーなんか運気が変化させられるようなことになる。わけがわからないな。お客さんがなんや少ないような、たぶん、30人いないくらいで、えー、大友さんもいてもこんなもんか、と思う。なぜそう思うかってやっぱ大友さんが一番名が知れ渡ってる気がしてるからか。でも前にやっぱピットインでアルタードステイツかなんか見たとき人が少なかったので、芳垣さんもROVOなどの人がたくさん入るバンドとあわせてほんとうにここらへんの人たちは色んな場所で色んな演奏をしてきてるんだなあ、すごいなあと思う。

今回一番印象強かったのは大友さん。大友さん見るのもまだ5回目くらいと思うけど、大友さんがリーダーのはOtomo Yoshihide's New Jazz Ensembleだけであとはギターにしっかり向き合い喋りもしないギターを弾くグループにて。初めて見た時からああなんかすごいなと思うとこはあったが、いまいちよくわからないままだった。ブログなどを時々読んでるのもあってどんな人かってのは見当がついても、演奏における表れるものは掴めぬままのものというか。でも久しぶりに近くで見て、ああやっぱりこの人はすごいんだとのみ込んだ。うんうんそうかと自分なりに少しだけつかむ。このかんじはー、スーパーではもはや人参やじゃがいもは見事にきれいな状態でしか売られておらず、それが当たり前のようにもいつのまにかなっていたが、実家での生協で頼む人参やゴボウは土がぼろぼろついたままのものがやってくる。そしてそれを袋から取り出し調理しようとするときハっとする。これを扱うにはまず土や根をしっかり落とさなければならない、手に土がつかなければならない、この野菜は土の中にいたのだということ、それは知識としては当然であるのに、実生活では忘れがちになっている。そしてこの土のついた野菜を持つとああそうかと納得することによるのか、なんか安堵する。大友さんのギターには、その演奏時のたたずまいと合わせて、厳しさと優しさが柔軟になった安定感のよなものを感じた。ギターめちゃくちゃかっこいいんだけど、高揚感ではない感じにせまってくるのが、なんともいえない。斎藤さんと絡まるとことか、同じフレーズ弾くとことか、他では聴けない聴いたことないよなーっとぶるるとする。

長くなったのでここらへんでしめます。色々曲名検索などしてたら同じライブに行った人がきれーに曲名など書いてて、ほほーうやはり元も聞いてみたいな、と思う。水谷さんと芳垣さんが一緒に演奏してるとこが好きなので、最近やっている芳垣、大友、水谷トリオをはやく見てみたいなと思う。もちろんムルチクルチもまた見たい。なんかすごくたのしかった。あーやっぱりピットインたのしいな。