自分の言葉なんて、口に出して重ねれば重ねていくほどきわどくうそっぽくなり乾いて空虚な実態がむきだしになっていくので、ああいやだいやだという着地点が待っているのだった。なんじゃそりゃあなかんじがするけれど、空気にさらされて、それが実際というか、だからほんとは言葉なんてあまり口に出しすぎるものじゃないのかもしれないと思う。まあそんなこと今知った話なわけでもないけど。大学の時に先生見てたらわかってはいたけれど。自分はまだまだ未熟なんだった。
重ねれば重ねるほど右往左往で本当のところのものがとことん埋没していく。自分でむなしくなる。どんだけ言葉並べたところで相手に届くわけでもない。届いていないやばい焦りを感じてさらに重ねてしまうけど、もうどんだけ積んだって無理な状況ができあがっているのでつらくなる。それでも人を前にしていると取り繕わずにいられずどんどんつんでく。一人になってみると自分が削りとられた気になっている。えぐられてなくなってしまった。なくしたなくした。愚かだなあ。


TOKYO DESIGN WEEK@神宮外苑downyがライブステージで出るというので行ってみた。展示の方は思ったより全体の雑然さがあり拍子抜け。なんだろうあのバラバラ感。なんであんな感じなんだろう。よくわからん。そんななか興味をもって楽しく見れたのはアジアの若い人たちのものづくりだった。まあ、自分が今興味もてる分野がそうゆうところということかもしれないけと。でも素直にアジアの人がもつポップさやまっすぐさのあるものものが見れてとてもよかった。アジアっていっても広いけど、こうやってまとめて見てみるとたしかに西洋的価値観とは違うものがあるんだろうと思えた。

一通り見て、この日はとにかくむちゃくちゃ冷えて寒かったのに、外で友達と話しこむ。しかしこのひえびえ感がどこかたまらなくもあるんだよなーと思うとちょっとテンションあがっちゃうバカの感じ。悪くない。しかしライブが行われるテントのなかは実は暖かかった!なにこのぬくさは〜ってまたテンションあがる。ライブはちょうどOGRE YOU ASSHOLEが始まったところだった。久々に見たけど、とにかく最近誰が見てもよかったと言ってるような評判のよさなのできっといいんだろうなと思っていた。その通りだった。前はもっとダークな感じだったような。独特のサイケ感。それにはVJの影響もある。いつもVJがあるのかと思ったらどうやら今回だけのコラボの方なんだろうか。用意してある映像素材とその場でインクやら液体使ってまぜたりしたのを重ねてたりしてた。すごい音楽にぴったりだからいつも一緒にやってるのかと思ったけど。天井の方までかなり映す範囲を広く使っていたのもすごくよかったなー。軽そうで軽くないどろどろした方へ笑いながらいってしまうような移行感で気持ちいい音。

おわったら間髪いれずにDJになる。結構時間長いのかーと思って前を見たらあれ?デデマウス?タイムテーブル見てたのにぜんぜん知らなかった、、と思いつつもりあがりのはやいフロアについていけず、外の展示を見に行くことにする。

大学ごとの作品が沢山あった。なんて学生らしいんだ、と学生だった自分としては謎であり納得する妙な気持ち。学生としてはそれなりのやった感、達成感や経験もできる機会なのかもしれない。でもそこに対して誰かもうちょっと支えてあげられないのか。個人での作品であればまた違うかもしれないが、しかし複数人でひとつの作品というのは責任感みたいなのも薄くていまいちなんだかよくわからない。でも、見た目で成立しているものもあった。寒いし全部はよく見ていないが。寒いのでテントにもどる。なんかVJかっこよかった。そしてdownyのメンバーがデデマウスもりあがるなか、ステージに出てきて準備をはじめる。がんがんなDJとVJの熱狂するなか、なんともシュールな混ざりがあってなかなかレアな風景だった。

そしてやはり間髪いれずにdownyへいく。葵ではじまり凍る花へつづく、ちょっとこの2曲はめずらしくもアンバランスなところがあったような。ちょっと聞いててひやっとするような。それでも曲を進めていくなかで修正していけるのだからよくできている。凍る花はやっぱりいいな。もっと聞きたい。もっと聞いていかないとまだわかれない感じがある。檸檬へつづく。ちょっとウッドベースの音が小さく感じられる。音源よりライブで聞くほうがまどろっこしい曲の印象を6枚目の曲には受ける。秋山さんのドラムからからっとはじまる感じはこないだのワンマンで聞いた時よりぐっとよくなっている感じがした。ロビンさんの声があわさったバンドの音がいま自分のなかですごく美しくてエロい感じに聞こえる。ひと息ひと息吐くように歌い上げるロビンさんのヴォーカル。
そして春と修羅。この曲はすごく清々しくて気持ちいい。ベースが気持ちうねうねと動く上に鍵盤がのってきて多重な層がよく感じられる。それが逃げていく、走っていく、追いかけていくようにして変形してもっとスピードあがっていく感じ。一瞬の汗をかく。次の海の静寂ではやはりロビンさんがかなりはっきりとした発音で歌っているのでちょっとおもしろい。十四月とかの発音がとても気持ちいい。曦ヲ見ヨ!では秋山さんがよく見えた。秋山さんがわりと顔を側面向け気味にドラムを叩いてるのって特に意味があるのかな。その方が曲によってはリズムが乱れないとかあるのかな、わからないけど。なんでこんなバランスで成立するのか不思議だなあとぼんやり思う。みんなたがいに絡まりあった一つの紐で結ばれているようなかんじがする。そして最後ですといって猿の手downyのステージには一瞬、静けさに包まれ音が消えてふいに静止画のように目の前に見ているステージが枠にはめられ、それを美しいとぽつりと思わずにはいられなかった。美しい一枚の絵からエロい微香が漂ってくるようなライブをしている。今日もそれを嗅いだ。嗅いで嗅いで、倒れそうになるのをなんとかこらえてる。

信濃町まで一人歩いて帰る。寒くなってくるのはどうしてこんなうきうきもするんだろう。