あさいさんは1日現場、私は会社で大してすることもない、生産するようなものは何もなく片付けをすこしだけする。ますます仕事はやばい雰囲気だ。考えたってしょうがないが、わるい想像しかできない。不安になって心配しても、ないものはない。仕事がなければ稼ぎはなく、私は収入をえられるのか、この生活を続けられるのか、どれくらい落ち込んでどれくらい平然としていればいいのか、私の経験値ではすっかりわからないのだった。すっぴん!が今週で終わってしまうから、よく耳をすまして聞いた。なんで終わってしまうんだ。ずっとずっと続いていくと思っていた、そんなわけないと思うことはなかった。この先にすっぴんがないなんて、ただでさえこんな気の重い状況で、どうやって仕事していけるというのか、とひたすらやるせない。午後は読書をすこししたものの眠くなり、すこし寝て、アマプラで「ソング・オブ・ザ・シー 海のうた」を見た。前から見ようと思っていたが、アマプラ配信は今週末までだと見終えて知った。これはまたすばらしいものに出会ってしまった。アイルランドの長編アニメーション。まず驚いたのはその絵だ。人物はやけにめがぱっちりしていて魔アルミがあり、加えて冒頭から出てくるアザラシも目がまんまるにぱっちりしてるのでちょっとびっくりする。でも他で見たことのないようななかなか独特な表現、描写を感じる。そして背景となる海や家のなかの描写はこれまた特異な平面性をもたせ、曲線と直線によって画面全体がみごとに構成されている。人物がみょうに丸みをおびているのも全体をとらえた幾何学模様の一部として組み込まれているようだ。特に曲線によって多くが描かれている。面で描かれる町並みもとても魅力的で、絵が動いていることのマジックにぐんと引き込まれてしまう気持ちがわきおこる。アニメーションだからこその表現をしていて、このためにアニメーションがあるんだ、アニメーションじゃないとできないんだということを何度もあじわう。その表現の魅力がこんなにもどくどくと生きていることを感じさせられるのは、すぐれたアニメーションの強さだなあと思う。海、動物、孤島、という要素からレッドタートルを思いだした。まあレッドタートルの方が断然要素は絞られているけれど、数日まえに片渕須直監督のインタビュー記事が話題になってるのを見て、こないだのゲンロンカフェを見てるのもあって、すぐれたアニメーションはこのように世界にあるのだよなあということをしみじみ思う。私はふだんの生活でアニメを見ることはほぼないし、興味がない。映画館で最近見たアニメといえば海外作品ばかりで、だからこの世界の片隅にを見てるのはかなりレアだ。ジブリ作品はアニメを見にいっているという感覚はうすく、どれどれどんなものかなという見せ物を観察しにいっているような感覚に近い気もする。子供のころからの体験の延長にすぎない、という感じがある。他の監督の作品もそれなりに興味はもってるけど、なんか日本のアニメって近寄りがたい。最後にテレビで見たアニメですごく好きだったのはプラネテス電脳コイルとかでそれってもう10年以上前かなと思うと日本のアニメといってもそれは今どんな状況と言えるのか、ということをちょうどタイミングよく教えられた気がする。もっと海外の作品を色々見て、知りたいと思う。そうだ、ソングオブザシーの音楽にKiLAの名前を見つけて、え、あのキーラ?!と驚いたけど、アイルランドの人たちだからそりゃおかしくないのか。キーラは昔、ライブビート観覧で見ている、もう何年まえ、16年まえか、すごい昔だけど鮮明に覚えてるかのようだ。日記で調べたら、ズボンズとの共演だった。あの時のズボンズもすごく良かったなあ。16〜7の頃にみたライブのことは本当によく覚えている。こわいくらいに。音楽はもちろんとても良い。音楽というものがアイルランドの土地にいかにしてあるのか、というようなことがなぜか伝わってくるのだった。

17時まえに会社を出る。池袋でタワレコによっていくか、と思っていたけど電車に乗ったら具合がわるい気がしてきた。生理前だからかもしれないと思う。きもち悪い気がふくれあがってきてお返しのお菓子だけ買って帰宅。家に着くころには雨がずいぶん降ってきた。なんだかやっぱり気分がわるい。本を読む気にもなれないし、音楽を聴く気にだってならないし。うーんうーんとごろごろうなるばかり。とりあえずご飯を食べようと思って長ネギとえのきと大根と油揚げの味噌汁をつくる。あとは豚丼の残り、春菊とでまにあわす。食べ終えてもしっくりこない。湯船に浸かろうと思って掃除はしてあるのにそもそも入る気になれない。ただ気が滅入るというのともちょっと違う。生理前だからなんだ、といくら分かってたってどうしようもならないし、できない。ということと戦わねばならない。嫌だいやだいやだあと思ってうずくまってたら寝てた。起きたら24時過ぎてて、シートで化粧だけ落として、ものすごい体のだるさをどうしようもできないことには抗うこともせずおとなしく寝ようと思う。でもなぜかNHKで岩手の大槌町の震災時の検証番組が始まって思わずそれをじっと見てしまう。むしろその次のドラマも初めて見るのに最終話なのになんでか途中まで見てしまう。アホか、と思って途中で消した。

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