9:50の回の「ロングデイズ・ジャーニー」を渋谷のヒューマントラストで見る。中国のビー・ワン監督作品、これが長編2作目だという。後半から3Dメガネ着用で見ることになっていて、物語の始まる前に劇中で主人公がメガネをかけたら観客もメガネをかけるように指示があった。よく考えたら3Dメガネをかけてみる作品って、そんなに経験したことがないような。しかし驚きだった。すごく古風だなと感じるのと同時に洗練された潔さ、清々しさがある。後半のメガネをかけてからの時間はなんとワンショットで撮られていた。あれは何か仕組みがあるのか、あるならあるでもちろんあるだろう、しかし驚愕だな。驚きを与えられながらもゆったりどっしりしていて、夢の中の夢なのかなんなのか判別が付かなくなるというよりは最初からそんな境界を必要としていないかのような。前半は特にセリフは少なく、眠気に誘うようなゆったりとした時間をきれぎれに捉えている。そのスローなカメラ、捉える世界は明確に撮りたいものがあることを示している。水を印象的、効果的にとらえたシーンが前半には多いので、どうしてもタルコフスキーを感じる。特に水たまりをとらえたショットなんて。照明もまた強い効果を発している。もう一度見たいくらいだな。何かをはっきりさせるためにではなく、もう一度その世界にもぐりたいというもの。13:10すぎに終わって、それからイメージフォーラムへ移動して13:40からの「コロンバス」を見る。移動時間は10分ほどで済むからこの2館ではしごできるのは良い。予告でビー・ワン監督の長編1作目の上映を来月から?イメフォでやるらしいことを知る。おお、素晴らしいな、絶対見たい。ロングデイズ〜の方でも音楽がとても印象的だったが、こっちの予告でもやはり似た雰囲気の音楽の使い方だったから一貫させてるのがわかる。というか1作目と2作目で明らかに物語は連動しているようだ。コロンバスはまたなんかよかったな。なんだこれは。ずっと見ていられるような気がした。建築が主役と感じる人も多いようだが私はそうは感じなかったな。建築というより、建築があるその街、コロンバスという土地の魅力を感じた。木々が多く、ゆったりとした街並み。ああすごくいいなと思った。その空気と建物にに入り込む人々の姿形、声が良い。朝ご飯にマフィンをフレンチトーストにしたのを食べたせいかお腹はすかない。青山ブックセンターに行って、アジアン料理のレシピ本でも買いたかったけどなかった。本は買ったばかり、読んでないのも積まれつつあるから新たには買わず。国連大前のファーマーズマーケットの前から今度はここで買おうと思っていた花屋さんでばらを購入。うれしい。かわいい。夜ご飯に油淋鶏もどきを作る。あっという間に終わる。街中では明らかに先週末よりマスクをしていない人が増えたと思う。露骨でなんだか少し怖い気になる。そうしたらTwitterでもまさにその状況に苦言などを呈しているツイートを見た。でもなんか、それもそれで、なに、って感じがする。日本人は、日本人だけがそんなに愚かなのか?と思うと世界中にいる人間の愚かさなんてみんな似たようなものなのではないかと思ってしまう。不安とどのように向き合っていればいいかなんてわからない。今日行ったヒューマントラストとイメフォは1席あけて座る強制はとっていない、どちらもミニシアターだし、でも結果的にはどちらでも隣の人とは1席空いた状態だった。まあ通常でもそうなり得るし席がうまる上映でもなかったというのが幸いなんだけれど。こうやって映画館に行って映画を見れるということは外出禁止令が出ている国に比べたらかなり、とてもラッキーなことなのだと思う。だからこそ今、これからも気をつけなければいつ映画館に来れなくなってもおかしくないのだとわかる。でもいつまでもこれを続けていられるのか?という疑問、不安はある。いつ閉鎖されてもおかしくないんじゃないかという疑りが、あるにはある。ライブハウスは、いったいどうなってしまうのかという不安もつらい。よく考えたらROVOは4月下旬に大阪と京都のライブがあるんだった。例えば着席にしたら可能なのか?それはちがうのか?頼るものがない。

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